【質問②】
山田穂の正式名称が「新山田穂1号」などという事実はないはずだが、何を根拠にあのような宣伝をしているのか?
【白鶴酒造回答②要約-1】
ホームページの記述は“当社が復活させた山田穂”について書いている
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先にはっきりさせておきますが、白鶴酒造で復刻栽培しているのは兵庫県で保存していた『新山田穂1号』で、これは明確な事実です。
”当社が復活させた山田穂”とは何を言っているのか?となりそうですが、この回答には続きがあります。
【質問②】
続【白鶴酒造回答②要約-2】
当社で復活させたのは『新山田穂1号』。
『新山田穂1号』は在来種『山田穂』から選抜されたのだから、山田錦の母親となった『山田穂』と同時期に同県下で“山田穂”として栽培されていたものだ
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はい、余計意味が分からなくなりました。
「同時期に兵庫県内で“山田穂”として栽培されていた」…?
そんな記録どこにあるんでしょうか?
試験場の業務功程でも、原種(奨励品種)指定も、明確な別品種として扱っていたはずですが?
ちなみに先に紹介した系譜図の横にはこんな謎の文言が載っていました。
上図の赤波線部分「同じ品種と考えられている」とは一体…?
遺伝的に近縁であることは推測されますが「同じ品種」とまで言っているのはどこの誰でしょうか?
『新山田穂1号』はどこで栽培されていた『在来山田穂』から選抜されたか記録が残っておらず、『山田錦』の母本『山田穂』との関連性はあくまでも不明のはずですが…?
それに『新山田穂1号』の育成時に『在来山田穂』より稈長が常に15cm以上短かった記録との整合性をどう取るつもりなのでしょう?
ちなみにここでも『新山田穂1号』のことを「山田穂」だと書いており、「新山田穂1号は農林水産省農業生物資源研究所の植物遺伝資源としての登録名」と、まるで「あくまでも本来の呼名は”山田穂”である」とでも読む側に思わせたいかのような文章になっていますね。
登録名も何も、兵庫県では大正時代から『新山田穂1号』の名前で扱われており、「山田穂」の名前で扱われた記録は何もない、というのは前述したとおりです。
それにしては白鶴酒造はなんとも謎主張を書き連ねているものです。
きっと私が知らない何か論文なり記録があるのだろう、ということで
これには追加で質問を行いました。
【質問③】
現存する兵庫県立農事試験場の業務功程全てを当たったが、試験場で『山田穂』と『新山田穂1号』は明らかに別品種扱いしている。
「同時期に同県下で“山田穂”として栽培されていた」とする根拠は何なのか?
【白鶴酒造回答③要約-1】
当社の言う“同時期”とは品種命名以前のことだ
『新山田穂1号』は在来種:山田穂から選抜された品種だ。
これらのことを根拠(※1)に山田錦の母親山田穂も、後に新山田穂1号と命名される在来種:山田穂も、同時期に兵庫県下で栽培されていたものであり、当社では広義的に同じ総称である山田穂として扱っている。
※1「これらのこと」とそれっぽく書いてますが、原文も『新山田穂1号』の選抜経過が書き連ねてあるだけで、結局選抜元は不明ですし、「山田錦の親:山田穂」については一切書かれておらず、何をもって”同じ品種である根拠”なのか…意味不明です。
在来種を遺伝的に均一な集団と考えているなら明らかな間違いで、「同じ名前の在来種から選抜されたから同じ品種」は間違いです。
そんなことない、と養護する人が時たま現れますが、「神力」と呼ばれていた「山田穂」がある、等々の複雑怪奇な関係性把握していないからでは?
なんにせよ
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状態になりましたが
…さらに白鶴酒造の主張を並べると以下の通りです…
【質問③】
続【白鶴酒造回答③要約-2】
そもそも山田錦は大正期に交配された品種であり、遺伝的な真の母親(個体)は現存していないのは自明であり、「山田錦の母親」という表現は「真の母親と類似した同系の米」を指す比喩として認識されると考えるのが自然である。
この時点での本音を一言で書くと「は?」に尽きます…
「山田錦の母親、山田穂を復活させ使用」
この文章は
「山田錦(は大正期に交配された品種なので、遺伝的な真)の母親(は現存していないのは自明であるので、「真の母親と類似した同系の米」)山田穂(系の米=『新山田穂1号』)を復活させ使用」
と読み取るのが“自然”だそうです。
全く読み取れなかった私はきっと不自然な人間なのでしょうね(棒読み)
皆さんはどうですか?
…………………………………
いくらなんでも無理があるでしょう…と思うのは私だけでしょうか。
というか「同じ品種と考えられている」ってさも一般論であるかのように書いておいて、実際自分たち(白鶴酒造)が勝手に同じ品種だと言い張っているだけではないですか…(それでその根拠は?)
それに、「幻の山田穂」のページは“当社が復活させた(自称)山田穂“についての説明だそうですが
「山田錦は、この山田穂を母親として1923年に兵庫県で人工交配」と書いているではないですか。
「当社が復活させた(自称)山田穂」は『新山田穂1号』なのですから既に矛盾しています。
『白鶴錦』の質問で白鶴酒造は「山田錦の母親は山田穂だ」と答えているのですから、事実と異なるとわかっていながらこのような表現をあえてしているのは明らかです。
つまりこれは
「山田錦の母親」という売り文句を使いたいが為、それだけの為に、別品種である『新山田穂1号』を企業側に都合の良いように「山田穂」と宣伝していただけではないのですか?
そもそも
『白鶴錦』の説明ページの「山田穂」は「山田穂系の米」
「山田穂」の説明ページの「山田穂」は「当社が復活させた『新山田穂1号』」
と、説明も注意書きもないこんな企業側に都合の良いような解釈するのが”自然”と言われるとは…
この通りに解釈する消費者が多数、と本気で主張するつもりなのでしょうか。
どれもこれも後付けで企業側に都合の良いように拡大解釈した回答を送られたようにしか感じませんでした。
管理人が指摘する以前に販売されていた白鶴酒造の商品「超特選純米大吟醸 山田穂」はこちら(雑作画)
※実際の商品を見たい方は検索してください。すぐ見つかるでしょう。
箱にも“山田錦の母親”と書いてあって、大きな文字で「山田穂」と…
さらに表書きの説明にはやはり「山田錦の母、山田穂」という旨の説明…
これで消費者が「実際は近縁な『新山田穂1号』を使用していると理解するのが自然」というなら、世間の人はエスパーかなにかですか?
ちなみに瓶の封緘紙や中に入っているリーフレットには一応(新山田穂1号使用)と書いてはありますが(雑作画)
こんなもの消費者が購入する時に目にできるような場所ではないと思うのですが…
実際各所でネット販売しているこの「超特選純米大吟醸 山田穂」で、この「新山田穂1号」部分が視認できるものを私は見つけられませんでした。(だから確信が持てなくて企業側に問い合わせる必要が出てきたわけですし…まぁ最終実物確認するしかなかったわけですが)
目立つところに(曖昧な)目を引く情報、肝心なことは目立たないところに…まるで典型的な詐欺商法の手口のようではないですか。(契約書に極小さく欠いてある特約事項…的な)
景品表示法的にもこういう行為(目立たないところに注意書き、的な)はもろアウトです。
これについて白鶴酒造からは「清酒の製法品質表示基準に則り表示している」と回答されました。
その表示の可否は「その品種名であることについて説明責任を果たせるかどうかになる」との国税庁の回答も得ているので、「清酒の製法品質表示基準に則り表示している」など何の意味もない回答です。
さて、本筋に戻って
山田錦の母親の「山田穂」をつかったお酒
酒米の王と呼ばれ知名度も高い『山田錦』に関連して、一企業が出すこのような売り文句を見れば大多数の人間はこの言葉通りに受け取るのが当然ではないでしょうか。
「山田錦の母親の「山田穂」を使っているのか、なら買ってみよう」と。
しかしその実
企業側は
山田錦の母親が残っているわけないですよね?
山田錦の母親の「山田穂」ではない「近縁の山田穂系の米」って意味です
山田錦の母親の「山田穂」ではない「新山田穂1号」です(それが正式名称で山田錦の母親です(?))
それが自然でしょう?
と言うんですから
そして繰り言ですが中身を開けてみないと、購入してみないとそもそも『新山田穂1号』を使用していることに消費者側は気付けません。
これ、言葉通りに受け取った消費者側だけが馬鹿を見ていませんか?
消費者の誤解を良いように企業側が宣伝に利用していることにならないのですか?
商品選択の際に消費者の混同や誤解を生むような行為は、これは景品表示法の優良誤認行為や不正競争防止法の誤認惹起行為等々…法的にも問題があるものです。
そして最後に個人的に許せないのが、回答中にあったこの表現です。
【白鶴酒造回答】
実際に「山田穂使用」商品の開発経緯については、記者会見でも公表し、論文も投稿しましたが、酒米及び醸造の専門家からも、あるいはマスコミ関係者、一般消費者からも問題があるとの指摘や意見はありませんでした。(原文まま)
そもそも「論文でも投稿した」とそれらしいことを書いてますが、実際提示されたこの論文とは「新山田穂1号の品種特性」です。
読んで頂ければ分かるかと思いますが「山田錦の母親は広義的な意味で新山田穂1号だ」なんて荒唐無稽なことを書いていないのですから当然専門家から指摘が入るわけがありません。
それに言っては失礼ですが『短稈渡船』の例で分かるように、自浄作用が全くないことが分かっている醸造関係者から指摘がなかったからなんだというのでしょうか?
ましてやマスコミや一般消費者など何も分かっていないド素人中のド素人です。
酒米関係の知識なら「“北から太陽が昇る”と言われればそのまま信じる」レベルでしかないでしょう。
そんな人間まで比喩に出して「指摘がなかったんだから問題ない」と言わんとするかのようなこの回答、いかがなものでしょうか。
冒頭で書きましたが、個人や酒屋、果ては酒蔵ですら「山田錦の母親は新山田穂1号です」と明らかに間違った情報をそのまま拡散している現状があることを伝えているのに、このようなことを言われるとは…
他者に責任転嫁するようなこんな主張には個人的には納得しかねます。
以上のようにいかにも自分たちの都合の良いような解釈を白鶴酒造は主張していますが、無責任にもこれらの元凶となったページを削除し、訂正情報発信はされていません。
仮に白鶴酒造の商品の表示が是正されても、根付いた誤解は修正されることともなく、変な誤情報はこれからも残り続けることになってしまいそうです。
この調子では過去の日本酒専門誌などでも多数引用しているでしょうから、さらに先の未来で情報の混乱を生むのは間違いないでしょう。
山田錦の母親は『山田穂』であり、『新山田穂1号』ではない
と育成者の兵庫県が公言しており
選抜経緯や時代を考えて『山田錦の母親・山田穂』と『新山田穂1号』が非常に近縁である可能性はあるものの
証明されていませんし、証明自体不可能です。(山田錦の母本となった『山田穂』の情報ってあるんですか?あったとして?)
『山田穂』は正式名称を『新山田穂1号』と言い、これが『山田錦』の母親である(という誤情報)
これは結局、白鶴酒造が残した負の遺産と言ったところでしょうか。
失礼
“自然な人間”であれば白鶴酒造の意図を正確に読み取れるそうなので、私のような不自然な人間達が勝手に勘違いしただけなのでしょうね(棒)
消費者に聞き取りを行っても、誤解や混同していない人が大半である…と、白鶴酒造は自信があるのでしょう。