2018年12月13日木曜日

年賀状の準備を始めます!

こんにちは
こんばんはー!
え~っと…
お、おはようございます
(でいいんですか?)
やほー
平成30年こと2018年もあと半月だね
本日は管理人墨猫大和が把握していない(もしかしたら)このブログを見ていてくれているかもしれない方向けのお知らせです。
ブログを見てるけどコメントしたことがない、そんな人が奇跡的に居たらこの記事に一言でいいからコメント書き込んでくれ、だとよ。
只今管理人が年賀状を準備中じゃ!
その宛名に使う予定じゃ
よろしく頼む!

Kay様、桃陣様、eco-farmer様、十日シティ様は把握している。
間違いなく書くので安心してほしい。
私の記事にコメント頂いたunknown様は名称不詳のため書くことが出来ません。呼び名だけでもお知らせ頂きますと幸いです。
どうせその方以外にこんなブログを見ている奇特な方なんてそうそういませんわよ。
完全に杞憂ですわね、こんな通知。
…そんな身も蓋もない…
あくまでも万が一のことを考えてのことなので、限りなく可能性はゼロでも、生暖かい目で見てあげてください。
よろしくおねがいします。
…ところで
ちゃんと年賀状のデザインは完成しているんですよね?
…描くぞー!
(えー…)
足元も固めていないのに発展したことばかりやりたがる
結果躓くダメ人間の典型的行動パターンですね?
おお、はっきり言うもんだな

なんだ?なんだこれ!?
難しい話なのか?
反面教師として悪い意味で見本にして
あんな人になっちゃいけない、って言う簡単な話ですよ。
え~っと…あんな人って
墨猫か?いちほまれか?
どっちのことだ?
…あ?
(ひぇっ)
あのまあとりあえず
年賀状書きたいので、もし万が一見てる方がいたらお名前教えてください、ってことで

皆さま、よろしくお願いしますわ!
なんであなたが出てくるんですか…
(えー!?)

2018年11月29日木曜日

【粳米】北陸122号~キヌヒカリ~【特徴・育成経過・系譜図・各種情報】

地方系統名
 『北陸122号』(『水稲農林290号』)
品種名
 『キヌヒカリ』
育成年
 『昭和63年 北陸農試』
交配組合せ
 『F1【収2800×北陸100号】×ナゴユタカ』
主要生産地
 『滋賀県、兵庫県』
分類
 『粳米』
キヌヒカリだよ。皆、関西においでな。





どんな娘?

『コシヒカリ』が嫌いな娘(どうしてかと言われれば親からの…)。
かと言って特に表立って騒ぐようなことは無く、「ちょっと気に入らない」程度のもの。

そんな『コシヒカリ』と同等の実力者で、見た目に関してはコシ以上との自負もあります。
北陸・関東での覇権を目指しましたが、結局『コシヒカリ』に敗れて関西圏へと移りました。

姉御肌で気が強く(半強制的な部分もあるものの)慕っている品種も多い。




概要

当初奨励品種として採用された茨城県、福井県では作付を伸ばせなかったものの、『コシヒカリ』よりも粘りの少ないあっさりとした食味が受け入れられた関西圏(滋賀・兵庫・三重【2017年現在】)でその作付けを伸ばしました。

またその子品種の活躍が特に目覚ましいものとなっています。
平成30年(2018年)時点で
高温耐性と良食味で多数の県で作付、日本穀物検定協会の食味ランキングで複数産地特A獲得した『きぬむすめ』を筆頭として、『夢つくし』『はるみ』と特A獲得、話題となる品種も彼女の子品種です。
山形県の『つや姫』含め、交配親を辿ると彼女がいることもあります。

出穂期・成熟期は『コシヒカリ』より1~2日遅い「中生の早」。
稈長は『コシヒカリ』よりもかなり短く、穂長も短めになっており、耐倒伏性は「強」です。
いもち病耐性は葉いもち、穂いもちともに「中」と、『コシヒカリ』よりは強いものとなっています。


さて
『コシヒカリ』が農林番号の品種審査会で、その耐病性の低さから採用にかなりの難色を示され、会議が相当紛糾した末にどうにか『農林100号』として採用されたことは有名かと思いますが
この『コシヒカリ』採用以降、「コシヒカリ並みに耐病性が弱い品種は審査せずに不合格にする」との申し合わせが行われました。
いもち病に弱い品種は、どんなに味が良かろうが、どんなに耐倒伏性に優れていようが”門前払い”を食らわせる、ということですがこれをまともに食らったのが20年後に開発された『北陸100号』でした。
『コシヒカリ』登場以後念願だった良食味・耐倒伏性強の素晴らしい品種でしたが、耐病性は『コシヒカリ』からそのまま引き継いで弱く、先の申し合わせに抵触するとして審査されることもなく品種登録を逃しています。

『キヌヒカリ』はそんな『北陸100号』の孫品種(3系交配なら子品種?)。
そんな因縁があるので『コシヒカリ』のことがちょっと気にいりません。


育種経過

強稈・多収・良食味・いもち病抵抗性強といういいとこどりのような品種を目指して育成されたのが『キヌヒカリ』です。

このような品種の育成を目指す理由になるのはやはり『コシヒカリ』の存在。
戦後、食糧難の時代には病気に強く多収である品種が席巻しましたが、稲作技術の向上、米の需給量の増加などにより米余りの時代へと移っていきます。
そのような中、次に普及してきたのが『コシヒカリ』『ササニシキ』のような栽培上一部欠点があるものの食味の評価が高い品種でした。

特に北陸で普及していた『コシヒカリ』について、耐冷性は高いものの、倒伏しやすく、いもち病に弱いという点は栽培上問題になることも多く、この点を解消した品種の育種がひとつの課題となっていました。

交配が行われたのは昭和50年(1975年)春。
母本『収2800』、父本『北陸100号』の交配からF1を作成。
同年夏、前述のF1を母本、『北陸96号』を父本として3系交配が行われ、その後代から選出されました。


◇『収2800』(F1【『IR8』×『フジミノリ』】×『コシヒカリ』2回戻し交配)
 1966年に国際稲研究所(IRRI)で育成された半矮性品種『IR8』と『フジミノリ』を交配したF1に『コシヒカリ』を2度戻し交配した後代から育成された品種になります。
 半矮性遺伝子による強稈・短稈性と『コシヒカリ』の食味形質の統合を狙った品種で、概ねその成果が達成された系統です。

◇『北陸100号』
 『コシヒカリ』へのガンマー線照射により育成された系統です。
 耐病性の低さから品種登録の門前払いを食らいましたが、短稈・良食味の系統であり、食味改良を目的に交配親に選ばれました。

◇『北陸96号』
 いもち病抵抗性遺伝子「Pi-i」を持ち、ほ場抵抗性が強く、収量も高い系統です。
 いもち病抵抗性と収量性の付与を目的に交配親に選ばれました。

昭和51年(1976年)春、昨年に交配して得た種子を温室内に播種し、F1養成を行います。
同年夏から翌昭和52年(1977年)にかけて苗代放置栽培でF2~F3集団を養成します。

昭和53年(1978年)に3,800個体からなるF4集団を養成し、70個体を選抜します。

昭和54年(1979年)は前年の70個体を70系統の単独系統とし、この中から4系統を選抜します。

これ以降は系統群系統に展開します。
昭和55年(1980年)、F6世代4系統群17系統を移植した中から1系統5個体を選抜。
昭和56年(1981年)、F7世代1系統群5系統を移植し、1系統5個体を選抜し、『収3877』の系統番号が付されます。
昭和57年(1982年)、系統適応性検定試験地に配布され、地域適応性が検討されます。
同年以降、特性検定試験地において主要特性の検定を実施。

昭和58年(1983年)、F9世代で『北陸122号』の地方系統名が付され、関係各県での奨励品種決定試験に供試され、地域適応性の検討が行われました。
結果、福井県と茨城県でその有望性が認められ、奨励品種に採用されます。

昭和63年(1988年)、F14で新品種として『水稲農林290号』に登録され、『キヌヒカリ』と命名されます。



系譜図

母本が非常に『コシヒカリ』の血が濃いことが分かります。
(でもやっぱり本人は『コシヒカリ』のことは嫌い。)

北陸122号『キヌヒカリ』系譜図



参考文献(敬称略)

〇コシヒカリ物語~日本一うまい米の誕生~:酒井義昭
〇水稲新品種「キヌヒカリ」の育成:北陸農業試験場報告




関連コンテンツ



2018年11月20日火曜日

【粳米】福島9号~天のつぶ~【特徴・育成経過・系譜図・各種情報】

地方系統名
 『福島9号』
品種名
 『天のつぶ』
育成年
 『平成22年(西暦2010年) 福島県農業総合センター』
交配組合せ
 『奥羽357号×越南159号』
主要生産地
 『福島県』
分類
 『粳米』


こんにちは、天のつぶです。


どんな娘?

誰よりも人間の醜さを知って、そして誰よりも人間の美しさを知っている娘。

柔らかい物腰ながらストレートな物言いで、誤解を招くことも多い。
それでも根は非常に優しく、ただ飾った言い方に抵抗があるだけであったりする。

デビューしてこの方、辛酸をひたすら舐めながら、それでも笑顔を絶やさない健気な娘。


概要

私は山形県の『どまんなか』や『はえぬき』に対して”悲運児”という言葉を使用していますが、真剣な話、彼女『天のつぶ』に比べれば生温いものです。

特性が悪いわけでもなく
産地が悪いわけでもなく
なぜ彼女はこれほど地べたを這わなくてはならないのか


高品質な『コシヒカリ』産地と名高かった福島県が、15年という長い歳月の果てにようやく得た県オリジナル品種『天のつぶ』。
平成28年頃よりブームになっているような高級ブランド米指向ほどではないにしろ、米どころでありながら主力となるオリジナル品種を持たなかった福島県、そして福島県農家にとっては何よりも待ちわびた品種だった…はずです。
県オリジナル品種第一号『ふくみらい』の失敗もあって、一般家庭用飯米として推進する計画を立てていました。


その名前は、「穂が出るときには天に向かってまっすぐ伸びる稲の力強さを」、そして、「天の恵みを受けて豊かに稔(みの)る一粒一粒のお米を」それぞれ表現しています。
福島県の清らかな水と大自然を活かし、農家のひたむきな情熱によって育まれたお米の一粒一粒を、福島県民はもとより、県外の多くの人々にも食卓に笑顔と温もりをもって、味わって頂けるよう、そんな想いを込められて命名されました。

『コシヒカリ』や『ひとめぼれ』に匹敵する良食味(低タンパク)。
食べ応えのあるしっかりとした食感で、見た目も光沢があり、粒ぞろいが良いとされています。
玄米は前述した二品種よりやや厚く、千粒重も重くなっています(粒が大きい)。
稈長は『ひとめぼれ』よりも短い「短」で耐倒伏性は「強」となっています。
葉いもち病抵抗性が「やや弱」とされるものの、穂いもち病抵抗性は「強」と判定され、葉いもちに罹病しても穂いもちへは移行しにくいものとされています。
耐冷性は『ひとめぼれ』よりは劣り、「やや強」ですが通常年においては問題ないものとされています。



平成22年に福島県の奨励品種に指定され、福島県産第三位の食用粳米として推進される…はずでしたが
覚えていない人はいないでしょう。
平成23年(2011年)3月11日、東日本大震災、そして福島第一原発の大事故です。
改めて述べるまでもなく、多くの被害をもたらした大震災でしたが、無論、デビューしたばかりの『天のつぶ』の普及にも暗い影を落としました。

まず、作付けの対象となるはずだった浜通り地方が、原発事故の影響で休耕を余儀なくされます。
さらにただでさえ人手不足傾向のあった農業に、自主避難などが拍車をかけ、人手不足の水田が目立つようになりました。
その様な状況で新品種に取り組める農家を当初計画通り増やせるわけもなく、主力飯米用品種としてデビューした『天のつぶ』も、多くは”飼料米用”として作付されたのです。
『天のつぶ』は短稈で倒れにくいので多肥に耐えやすく、病気にも強いため、手間をかけない飼料用に用いやすかった、というのは何とも皮肉です。

また「土壌による放射能汚染を避ける」という意味でも、倒伏しにくい特性の『天のつぶ』は奨励されたそうですが…

大震災から5年が経過した平成27年ですら、福島県内のとあるJAで集荷した『天のつぶ』約7,000トンの内、飼料用米として出荷されたのはなんと約5,800トン。
出荷量の4分の3近くが、飼料用米という結果だったそうです。

”多くの人々にも食卓に笑顔と温もりをもって、味わって頂けるよう”

そんな願いを込められた品種が、人の口に入る機会は…残念ながら少なかったと言わざるを得ません。
さらにこの頃の『天のつぶ』の取引価格(60kgあたり)は、原発事故の影響で下がった福島県産米の、さらに500円ほど下とまさに地を這わされるような状態でした。

しかしそう暗い話ばかりではありません。
平成28年産からは他福島県産米との価格差は100円程度まで縮まり、福島県は『天のつぶ』専用肥料も登場させるなど、品質の向上に努めています。
福島県の復興と共に、少しずつ、でも確実に、前に進んでいるものと信じたいです。



震災と同時に世に出て、福島県の復興と共に歩んできた彼女は、これからも前を見て、進み続けていくことでしょう。


育種経過

1980年代後半から消費者の良食味志向にこたえる形で『コシヒカリ』が、そして平成5年の大冷害を契機に『ひとめぼれ』が福島県内での作付けを伸ばし、平成23年(2011年)時点ですら、この二品種で福島県内の作付の90%以上を占めていました。

米需要の変化とともに『コシヒカリ』自体の価値が下がり、他の米との価格差が減少してくると、生産現場からは『コシヒカリ』より多収で、栽培特性に優れる品種を求める声が高まりました。
そんな実需者の、低価格で、かつ良質な米を求める声に応えることを期待されたのが平成7年から育成が進められてきた『天のつぶ』でした。


当初の育種目標は『コシヒカリ』『ひとめぼれ』よりも短稈で倒れにくく、良質・良食味の品種の育成でした。

平成7年(1995年)8月、福島県農業総合センターにおいて母本『奥羽357号』、父本『越南159号』として人工交配された後代から選抜されました。

母本の『奥羽357号』は東北農業研究センターで育成された『ひとめぼれ』の血を引く良食味系統。
父本の『越南159号』は福井県農業試験場で育成された『キヌヒカリ』の血を引く短稈、かつ強稈な品種です。

平成7年(1995年)8月、人工交配により45粒の種子を得ます。
同年10月、その内の10粒を播種、世代促進温室内で養成し、翌平成8年(1996年)3月に採取しました。

平成8年(1996年)はさらに世代促進温室内で4~7月にF2世代を1518個体、8~12月にF3世代を1518個体で養成し、全量採種します。

平成9年(1997年)、F4世代から個体選抜が始まります。
およそ2600個体を圃場に展開し、中生の早~晩生という広い出穂期、稈長も短稈~稈長までという幅広い個体群の中から、出穂期が中生~中生晩のもの、穂重感があるもの、稈長が短いものなど30個体を選抜します。
さらにその中から室内において、品質調査をもとに22個体まで絞り込みます。

平成10年(1998年)、選抜したF5世代22個体を単独系統として養成。
22系統全てにおいて耐倒伏性は良好、止葉が直立し草姿は良好でしたが、耐冷性の強い系統は見受けられませんでした。
固定度と熟期を元に2系統を選抜し、さらに室内において品質に依り1系統が残されます。

平成11年(1999年)選抜されたF6世代1系統を1系統群3系統として養成し、『群系322』の系統番号が付与されます。この年に生産力検定予備試験が実施されます。
また、浜地域研究所において葉いもち、穂いもち、いもち病真性抵抗性遺伝子型、耐冷性の特性検定試験に供されます。
結果、『群系322』は『コシヒカリ』『ひとめぼれ』『ふくみらい』に比べて収量、品質で優りながら、倒伏は全く見られず、このころから耐倒伏性の強さがうかがい知れます。

平成12年(2000年)F7世代は引き続き生産力検定予備試験と特性検定試験に供試されます。
結果、『ひとめぼれ』以上の品質と同等の良食味、そして耐倒伏性「強」、穂いもち病ほ場抵抗性「強」と、有望系統として認められ、平成13年(2001年)F8世代に『福島9号』の地方系統番号が付されました。

平成13~17年(2001~2005年)、『福島9号』は会津地域研究所、浜地域研究所および東北中南部各県の奨励品種決定調査に配布され、奨励品種としての適否が検討されます。
その結果、育成中判明していた良食味、耐倒伏性の強さに加え、白未熟粒が少なく、刈り取りが遅れても品質低下が少ない事が確認されます。

平成18年(2006年)F13世代の栽培から1年間の保存期間を挟んで、平成22年(2010年)F16世代が種苗法に基づく品種登録申請されます。


その後、一般公募によって『天のつぶ』と命名されます。




系譜図


福島9号『天のつぶ』系譜図




参考文献

〇水稲新品種「天のつぶ」の育成:福島農業総合センター研究報告







2018年11月17日土曜日

【粳米】~いのちの壱~(龍の瞳・銀の朏)【特徴・育成経過・系譜図・各種情報】

地方系統名
 『なし』
品種名
 『いのちの壱』
発見年
 『平成12年(西暦2000年) 岐阜県下呂市 今井隆氏』
品種登録年
 『平成18年(西暦2006年)』
交配組合せ
 『コシヒカリ栽培ほ場で発見』
主要産地
 『岐阜県』
分類
 『粳米』

ぼくの名前、ちゃんと知ってる?『いのちの壱』だよ

様々な食味コンテストで入賞している極良食味の代表品種、『いのちの壱』の擬人化です。


どんな娘?

お米界の麒麟児。

飄々としていながらも非常に芯が強い娘。

同じ岐阜県の先輩ハツシモ岐阜SLに親近感を持ち、後ろにくっついていることが多いです。

コシヒカリが親と言われることが多いものの
実はそのコシヒカリとは距離感がつかめず、会うに会えない日々が続いています。


概要


日本の水稲品種はほぼ公的機関(国・県)が育種したものですが、『いのちの壱』は比較的珍しい民間で品種登録されたものになります。(ただ、突然変異株を発見して固定したという意味では、”民間育種”とも少し違っている…かな?)
民間ならではというか、記録や研究という点では不明瞭(抽象的・誇張的表現が多い)なところが多い品種になっています。


『いのちの壱』といえば

◇発見者の今井隆氏の合資会社「龍の瞳」が販売している『龍の瞳』(商品名)
◇生産グループ「合同会社まん丸屋」が販売している『銀の朏(みかづき)』(商品名)

この2つが有名どころになるかと思いますが、じゃあ品種名『いのちの壱』をちゃんと認識している人はどれくらいいるのか不安(な管理人)。

細かいようですが『豊橋1号(女神のほほえみ)』も「『龍の瞳』から生まれた」とされることが非常に多いのですが、『龍の瞳』はあくまでも米としての商品名なのでこの表現はおかしいです。
稲としての名前はあくまでも『いのちの壱』なのですから


『いのちの壱』は粒の大きさが『コシヒカリ』の1.5倍と、とにかく米粒の大きさが特徴です。
そして香り、粘り、甘みなども格段に良い、極良食味品種(と言っても客観的・平均的にどうなのかは不明)としても有名です。
耐倒伏性は「弱」で、病気にも弱く、縞葉枯病抵抗性も日本水稲型(+)です。
意外なところで玄米の見かけの品質は「下の上」で、さほど良くない評価(実際生産地の1等米比率も低い)の様子で、蛋白質含量も「やや高」となっています。
公的試験場レベルなら恥ずかしくて表にも出せないレベルですが、これが「高級米」として売られているのはこれいかに?



繰り返しになりますが、水稲品種『いのちの壱』はだれでも栽培・販売(種籾も)できますが、『龍の瞳』『銀の朏』として売られているモノは、また差別化の図られたブランドになっており、第三者がこの名称で販売することは禁止されています。

◇製品『龍の瞳』
・飛騨産米および岐阜県産米
・農薬使用量は岐阜県の定める量の1/3程度
・マグネシウム・カルシウム資材2種の肥料を使用
・品質(一等・二等米)、美味しさ(水分・タンパク質・アミロースを化学的に分析+食味試験)、粒の大きさ(一定以上?)をクリアしたもののみ出荷。

◇製品『銀の朏』
・飛騨及びその周辺地域の中山間地(標高600m前後の高地)で栽培
・低農薬栽培
・化学肥料不使用



育成経過

平成12年(2000年)、岐阜県下呂市で今井隆氏が作付けしている『コシヒカリ』ほ場の中に、ひときわ背の高い個体が二株(※1)並んでいるのを発見します。

”『コシヒカリ』よりも背が15cmほど高く、籾はとても大きく、茎は太くてたくましい姿だった”とのこと。

今井隆氏は当初、新品種とは思わず、酒米の『ひだほまれ』が混入したものと思ったそうですが、”直感的に”違うものだと思った?そうです。

平成13年(2001年)に約5坪(約16.5㎡=0.16畝)で作付。
同年に試食し、『コシヒカリ』その他既存品種に無い見た目と食味の良さから新品種であることを確信したそうです。
平成14年(2002年)には2aに作付。
その後も品種登録に向けて選抜と栽培を繰り返します。

平成17年(2006年)に『いのちの壱』で品種登録申請。(※2)

(理由は不明ですが)翌平成18年(2007年)に今井隆氏は育成者権を放棄していますので、品種登録後まもなくしてだれでも『いのちの壱』の種もみ・苗を販売できるようになったようです。
その為か、自家採種して『いのちの壱』を栽培しているところも多い?のかもしれません。

とは言え、原原種の保存をしているのはあくまでも今井隆氏の合資会社「龍の瞳」であり、株式会社中島稲育種研究所に委託されているものこそが本物(管理・選別がしっかりなされているという意味で)の『いのちの壱』ということになるでしょうか?

2018年からは正式に原原種から原種栽培、そして種籾採種と、公的機関の種籾生産と同じ行程を用いるようになりました。


※1
他にも既存品種の中から見つかった『イセヒカリ』もですが、ほ場に二株並んで(同じ)
変異株があるというのは、常識から言えば考えにくいことです。
変異株の種籾は、当然、前年に変異した株から採取されたものになります。
それは他の何千何万という他の種籾とごちゃ混ぜになるはずであり、それはランダムに育苗箱に播種され、さらに育った苗は田植え機を使ってさらにランダムに植え付けられます。
つまり、前の年に変異した種籾が、”奇跡的に”育苗箱に近接して蒔かれ、”奇跡的に”連続して田んぼに植えられた…というとんでもない奇跡の結果ということになるはずですが…
ただもうその点は確かめようがないので、真実は不明…というところでしょうか。


※2
品種登録をする際の品種名は、商標登録されているものは使用できません。
合資会社「龍の瞳」は米の販売名を『龍の瞳』として商標登録していたので、品種名は『いのちの壱』として品種登録を行いました。



系譜図

”『コシヒカリ』栽培田の変異株から選抜された”ものであって、”『コシヒカリ』の突然変異種”断定されているわけではない点には注意が必要…かな?(でも一応品種登録の際には”コシヒカリの変異株”としている様子)

発見者の今井隆氏がさらっと「『コシヒカリ』の遺伝子がほとんど含まれていない」と書いていた(ただ何を根拠にしているか不明)ので、”出自不明”というのが正確なのかもしれません。

『いのちの壱』系譜図【暫定】



参考文献

〇銀の朏「こだわりの栽培」:http://ginnomikazuki.com/kodawari/index.html




2018年10月14日日曜日

2018年産新米販売 各県どうこう・生産量・価格

2018年、平成最後の秋も10月の半ばに差し掛かっていますね。
各県の新米販売もそろそろ情報が出そろってきたから、内容をまとめりんこだよ♪
しかし動きが鈍いのかニュースになっていない県は情報が少ない。
管理人の脆弱な情報収集能力ではこれが限界だ。
ほう?
動きが鈍いって例えば?
岩手県。
えっ?
ちなみに、2018年度のJA概算金を見ると全体的に値段は上がり気味。
これで4年連続の値上げになります。
い…岩手県産ひとめぼれも微増です(岩手県アピール)!
うむ、我が宮城県も堅実に上昇中じゃ。
確か理由は”業務用米の需要が高まっている”…とかじゃったか?
そう言われることが多いですね。
とは言え、日本のコメ消費量減少は農水省の予想8万tを上回るペースで進んでいるし…そうだね、値上げを単純に喜ぶことはできないんじゃないかな。
値段が上がり過ぎれば、消費者の”米離れ”をさらに助長しかねないからな。

えええ!?
おらたち要らなくなっちゃうの!?
あはは…う~ん…
まぁ当たらずとも遠からず、ってところでしょうか?
えええええええええええええ!?
(誤解しか生まないような回答…)

まぁなんにせよ”米どころ”を自負する県では生き残りをかけた戦いが始まっているってことだろ?
そう言えば~減反政策は廃止になったけれども、
こちらも国の予想に反して~作付面積は増えなかったわね~
不確定要素が多いのが農業の常ですけれども
ここ数年がどの米産地にとっても正念場になることは確かですわね。
よ~し、兎に角見てみよう!
ちょっと!!
わたくしの出番だけなんでないんですのよ!?







北海道

北海道米は2018年度産が近年稀にみる不作。

収量の減から特にエース米で基準が厳しく設定されている『ゆめぴりか』の出荷が滞って各卸に販売できない事態まで発生している様子。
特に認定マークの品質基準を満たす『ゆめぴりか』は前年の約半分、高品質基準となると2割程度しか基準を見たさないという壊滅状態。


そんな北海道では基準を満たさなかった『ゆめぴりか』(9割)と『ふっくりんこ』(1割)のブレンド米をブランド『合組(ごうぐみ)』として販売することを決定。
両者の良いとこどりで、炊飯後時間がたっても粘りと柔らかさを保つことが出来るそう。
新たな試みで今年の危機を乗り越えることが出来るでしょうか?



青森県

新売り文句(?)「さっパリより、愛をコメて」をひっさげて…え?パリったらパリですよ、あのフランスのパリですよ。
さっぱり食感のお米の魅力をもっともっと広めたいと思う情熱のあまり飛んで行ったらしいんですからしょうがないですよ
後追い品種達をけり落とせるか(とはいえ『青天の霹靂』自体、積極的にそういう高級路線を打ち出しているわけでもない)


そんな青森県フラッグシップの『青天の霹靂』は販売は堅調。
生産量約9,000トンの内、県外向けに約7,000トン、県内向けで約2,000トンと、県外重視の販売計画。
概算金額は2017年産額を据え置き14,500円/60kg。

しかしながら2018年度の天候不順から目標収量の540kg/10aに届かない農家が続出し、酷い人では300kg/10aまで落ち込んだとも。
その影響で栽培条件が厳しい『青天の霹靂』に見切りをつけて業務用米として堅調な『まっしぐら』に流れる農家が多くなる、”青天の霹靂離れ”が深刻な様子。
2019年度必要面積2,138ha(1万262トン需要予想)に対して1,566haの作付にとどまる見込みになってしまいました。(前年比16%減708経営体)

収量が取れなければ当然売り上げに影響が出ます、”現在”の営農はもちろん重要で、農家だけを単純に責めるわけにはいきませんが、青森県の未来を担うべき品種が果たしてこのままでよいのかどうか…



秋田県


2010年 山形県『つや姫』
2015年 青森県『青天の霹靂』
2017年 新潟県『新之助』

東日本の中では”高級ブランド米”の開発について明らかに出遅れている感が否めない秋田県。
→「米産県としてトップブランドが無かったのは遅きに失した」(県農林水産部:斎藤部長)

平成27年(2015年)に久方ぶりに秋田県のオリジナル新品種『秋のきらめき』『つぶぞろい』と2大品種を打ち出したものの、正直その後の他県の新品種ラッシュにかき消された感あり。

そんな秋田県でもフラッグシップ(極良食味)米の開発は続行中。
平成26年(2014年)から取り組み、平成28年度(2016年度)には5候補まで選抜。
平成30年(2018年)は最終2候補から1候補への絞り込みを行っています。

登場が待ちわびられるそんな”秋田県最高級米”2022年本格デビュー目標…ってそんなゆっくりで大丈夫なのか、秋田県?
…まぁ遺伝的固定とか原種圃の設置とか種子生産量を考えるとそんなもんなのかなという気がしないでもないですが


2019年2月19日報道によると
穀検による食味試験、消費者や小売業者による食味調査によりいよいよ候補系統を1つに絞ったそうです。
最終的には3月の県や農業団体などが参加する会議で正式決定。
最終候補は『秋系821』【『中部132号』×『つぶぞろい』】。
品種名は今後検討し2020年度に発表する予定。

穀検の食味官能試験では、評価の平均値が他県産の『コシヒカリ』の二倍?の値だったそう。
反収は『あきたこまち』にやや劣る。(「今回は食味に特化したため、栽培のしやすさには目をつぶった」:県農業試験場 川本上席研究員)


※追記※
収量は過去4年間の試験の成績によると、平均して『あきたこまち』より17kg/10a少ない。
登熟期は『あきたこまち』比で12日間遅いとの結果。

暑さと寒さに耐性があり、いもち病にも強いらしい。


岩手県

ニュース記事が極端に少ない。(何故?)

なんといってもフラッグシップ米は『金色の風』『銀河のしずく』の”銀・金コンビ
特に金色の風は今季本格デビュー。

昨年度は食味ランキングで両品種とも「A評価」に甘んじましたが、雪辱を果たさんと燃えている(はず)。


10月13日より県内販売開始。
『金色の風』    1,296円/2kg
『銀河のしずく』  1,026円/2kg


2018年は『金色の風』227ha、『銀河のしずく』1,420haだった作付を増やす方針。


山形県

最強品種『つや姫』を要する山形県は弟分の『雪若丸』がいよいよ本格デビュー!

平成30年度(2018年度)概算金は『つや姫』が過去最高&東北最高の16,000円/60kg、『雪若丸』は13,600円/60kgと決定。(『はえぬき』12,900円/60kg)

9月29日に山形県内でデビューイベントを実施。
10月6日、ザ・キャピトルホテル東急(東京)にてPRキャラクターの田中圭氏も参加してCM発表等イベントを実施。

デビューの今年は約1万トンの生産を見込んでおり、その内の8割はJAが販売。
そのJAが販売する『雪若丸』はすでに9割が事前契約済みという好調。

絶好調の『つや姫』に先導され、続けるか『雪若丸』!?

【続】
2019年2月報道によると

山形県の『雪若丸』は絶好調。

県JAが取り扱う約7,000トンの内、2018年12月時点で県内外含めて約2,400トンが出荷され、なおも各種業者からの手引きは強いそうです。
単純計算で、このままのペースで出荷が続くと新米の時期までに売り切れになる可能性があるそう。
各販売業者の判断に任せる、としたものの、シーズン後半には5kgをやめて2kgの小口販売にするなどの対応が必要ではないか?と嬉しい悲鳴が上がっている様子。

育ち盛りの子供がいる子育て世代を主なターゲットと想定していたそうですが、「『ササニシキ』に似た味わい」のおかげか高齢者層にも受けが良いとのこと。


【山形県の動き】
姫若コンビに加えて『はえぬき』の認知度・ブランド力向上も見込め、県産米が需要増になるという見通しから、平成31年度の県作付面積は5万7,550ha(+884ha)、34万3,000トン(+5,840トン)といずれも増を決定。

まさにトップブランド『つや姫』がけん引し、新登場『雪若丸』もそれを別方面からさらに押し上げる形。
そしてその戦略の基礎を作ったのはなんといっても山形県産米の星、『はえぬき』です。
そんな彼女が姫若に引っ張られて需要が増えている、というのは何とも喜ばしいことです(個人的に)。


2019年産『雪若丸』は2,704haに作付する計画で、これは前年比6割増の大拡大。


宮城県

業務用米『ひとめぼれ』、堅実な需要『ササニシキ』、ニッチな市場を狙う『金のいぶき』に続く高級路線米『だて正夢』が本格デビュー。

いよいよ天下獲りじゃあ!

『だて正夢』の平成30年度概算金額は15,000円/60kg。
301haで生産が行われ、1,500tの出荷を見込んでいます。


2018年10月24日から県内販売開始
【参考価格】
約1,300円/2kg
約3,000円/5kg


2019年産は600haまで作付けを倍増させる計画。


福島県

県オリジナル品種『天のつぶ』は相変わらず低価格(概算金12,200円/60kg)ながら、そのおかげで業務用米としての引き合いは非常に強いらしいです。

秋田県と同じく、高級オリジナル品種路線では出遅れている福島県ですが、これまた同じくこの状況を静観しているわけではありません。

福島県は2021年秋より高級銘柄を市場に参戦させる予定。
『福島40号』『福島44号』の二つの候補品種が今年収穫されました。
2019年春までに消費者、流通業者、飲食業者らを対象とした調査を行い、食味評価を元に1品種に絞り込みを行うそうです。

2020年には10haに植え付け、2021年には100haの作付を目指しています。
最終目標は北海道の『ゆめぴりか』並みの販売額17,000円/60kgとのこと。

福島県ではこの新品種開発関連予算で2018年度に2,500万円の補正予算を組むそうです。

福島の復興をさせるフラッグシップ米になってほしいですね!



新潟県

新品種『新之助』はすでにデビュー済み(二年目)のせいか、いちいち続情報はないようですが…

新潟県の花角知事自ら伊勢丹新宿店でトップセール。
販売額は昨年と同じ3,780円/60kg。
この価格帯と売れ筋を維持できるかが焦点となる年となりそうです。

生産量は昨年の二倍、11,000t(約2,100ha)を見込み…のはずが、干ばつや日照不足などの天候不順の影響か、収量が10,000tまで落ち込み。
ただこれは全国的な傾向。

2019年度産は2,700ha、15,000tを目標に生産するそう。


今年は「まいにち大粒のしあわせ」がテーマだそうです。


頑張れ新潟県!
頑張れ『新之助』!


ちなみに話題になる日本穀物検定協会の食味ランキングには『新之助』の出場はありません。
味に絶対の自信がある新潟県、他機関からのお墨付きはいちいち要りませんとの判断(管理人の勝手な想像)

ぜひ皆さん自身の舌で味わって、判断してみてください!



デビュー3年目を迎える2019年度産は2,680ha(前年比3割増)、生産量は1万5千トン(前年比5割増)に高める計画です。
首都圏など県外でも認知が進んできたとして、ブランドとしての定着を狙います。



福井県


『いちほまれ』

日本一とか謳ってます(態度は最悪)。


2018年産米は約3,000トン。

販売計画では県外向けが約2,000トン、県内向けに約1,000トン。

2018年12月末現在で約1,370トン販売。
県外向けは437トン(販売量の約3割)、県内向けは934トン(販売量の約7割)と県内向けが先行して目標量をほぼ出荷済みの様子。
福井県は好調と言っているそうですが、『いちほまれ』のブランド戦略上、福井県内でいくら売れても実質ノーカウントと見るのが妥当。
この数量が果たして好調なのか…(と管理人は思う)

県外、特に首都圏で売れなければ、高級ブランド米としては成り立ちません。

→続き
2019年3月23日現在の報道によると、約1,700トンを販売し、当初予想以上の好調だそうです。
県内流通分は約1,100トン(増やした?)で、そのうちの8割超となる約900トンが出荷済み(あれ?12月と変わってなくない?)。
県外流通分は約800トン(首都圏約380トン、関西約280トン、沖縄約60トン、中京約40トン)を出荷。


2019年産は800ha、4,000トンの生産。




富山県

昨年はどうもプレデビューに拙速感があった『富富富』が今年度本格()デビュー。

富山県内では10月7日、首都圏では10月11日より販売。

平成30年度概算金額は14,500円/60kg(県産『コシヒカリ』13,000円/60kg)。

当初目標としていた1,000haを大きく下回る531haの作付にとどまりましたが、収穫量2,500tの内約半数に当たる1,000tを首都圏で販売する予定。
木村文乃さんを起用するなどして、約2億5千万円をPRに費やすそうです。

今年度は全量”白米”での販売となるため、都内で玄米販売をする米穀店では取り扱い不可らしいです。
理由は「品質を統一して管理するため」だとか?
ただこれ確実に米穀店から反発食らいませんか?富山県?
→と言うことで。日経トレンディの米のヒット甲子園第五回大会に唯一高級路線品種で不参加

都内では1,500円/2kg、富山県内では1,200/2kgで販売。


ちなみに『いちほまれ』とスズノブさんの店舗前で一般消費者に食べ比べしてもらったところ、6:4で『富富富』が勝ったそうです。


2019年2月
何を血迷ったのか今度は個人販売を許可するそうです。
特栽をしている一部の農家に試験的に…だそうですが、米穀店を敵に回してまで”統一管理”抜かしていたのにあっさり掌返してますよ富山県。
米穀店には一切許可せず、個人農家には条件付きとはいえ許可するとはこれいかに?
詰まるところ「統一管理」なんて負け惜しみ言ってますが、2018年度はそういう米穀店との調整が”出来なかった”のではないのかな?富山県。

負け惜しみと言えば
2018年産の日本穀物検定協会の食味ランキング参加も”戦略的”見送りとかこれまた日本軍の”転身”みたいな負け惜しみを言ってます
品質には自信があるそうですが、栽培技術が確立されていない為、万が一?A評価などになれば『富富富』のイメージダウンにつながるとの懸念から。
デビュー1年目ということで、専用肥料の使用も砂質土の圃場に限られるなど試験的な部分もあり生産面で明らかな準備不足と調整不足、ではなくて試験的な部分が多かったそうです。
県担当者「栽培技術が確立されてからでも遅くはない」←いや遅いと思うんですが

なにもかも後手後手な『富富富』は本当に大丈夫?


2019年産は、ようやく大幅な作付け増に取り組み、1,100haの作付、5,500トンの生産を計画。
2kg袋のみの販売だったものを5kg,10kg袋販売にも対応。
2018年産では精米を県内に限定しましたが、2019年は玄米流通にも対応(やっとか)し、店内で精米するこだわりの米穀店にも売り込むそうです。(やっぱりただの準備不足でしたか、富山県)


石川県

新品種『石川65号(ひゃくまん穀)』二年目の年、9月28日より販売開始。
県産『コシヒカリ』よりも価格を抑えたとのことで、やはり他県の新品種と比べると別路線が際立ちます。


県担当者曰く「将来の県外展開も考えているが、競争が激しい高級路線の土俵に乗るつもりはない」


今年度も昨年に引き続き2kg袋と5kg袋での販売。
全体的な生産量がまだ軌道に乗っていない為、10kg以上の大口販売にはまだ踏み切れないとのこと(Twitterより)

県産米として長く愛される品種『石川65号(ひゃくまん穀)』ですが、北陸三県繋がりで『いちほまれ』や『富富富』と並んで紹介されることも多く、宣伝効果としては良いのかな?
宣伝費を掛けなくとも、宣伝費をかけている他県品種と肩を並べられるってそれだけで知ってもらえますよね。


2019年産は、前年比9割増の1,200haの作付を見込み。
約7,000トンの生産を計画し、『コシヒカリ』より熟期が2週間ほど遅いことから、規模拡大する農家への導入が見込めるのでは、とのこと。

高知県


高知県の新品種『よさ恋美人』は実はとっくの昔の7月30日には販売してました。
「華やかな甘みと香り」がウリの高温登熟耐性を持つ極早生品種。

県産の産地指定の『コシヒカリ』と同程度の価格の2,000円/5kgで販売。


高温に遭った平成30年でしたが1等米比率は80%を超え上々とのこと。
70ha作付、350t生産されました。



鳥取県



鳥取県農業試験場が約20年をかけて開発し…!

というお決まりの文句は置いておいて

鳥取県が将来的に主力の一柱に見据える新品種、鳥系93号『星空舞』が2018年11月2日に県庁でお披露目されました。
命名の由来は「見た目が透き通っていて星のように輝く米」より。

母本『ササニシキBL1号』
父本『ゆめそらら(鳥系IL1号)』≒『コシヒカリSD』×5

と、『ササニシキBL』に『コシヒカリ』の短稈化品種『ゆめそらら』を5回戻し交配した品種です。
これは『富富富』のようなコシヒカリNIL、『コシヒカリSDBL』といったところでしょうか?

高温登熟耐性は「やや強」との評価(この耐性は一体どこから?)
葉いもち病耐性「やや弱」で、穂いもち病耐性の表記がないのは真性抵抗性遺伝子「Pik」の影響かな?(罹病率が低くて判定不能)
耐倒伏性は「やや強」

平成30年度は県内全域の約5.1haで試験栽培
平成31年度(本格デビュー)には300ha、平成32年度(はないけど)には1,000haを計画。
最終的に五年後をめどに作付面積3,000haを目標としており、鳥取県内の主食米栽培面積の25%を占めることになるそうです。

立ち位置としては石川県の『石川65号(ひゃくまん穀)』と同じく”従来コシヒカリと同価格帯”。
高価格帯へと切り込む気はないようです。




まだまだ続く


これは管理人の備忘録的性質のものなので判明次第続々書き足していきます。
神奈川県期待の私も、今年度活躍が見込まれてますよ!
そんな感じで、キヌヒカリ勢は躍進目覚ましいよ!
私もいるクマ!
と、いう訳で
未だ未完、スカスカですが今日はこれで終わりです。




…から2019年2月19日に少しだけ追記しました、だそうです。















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