2018年10月14日日曜日

2018年産新米販売 各県どうこう・生産量・価格

2018年、平成最後の秋も10月の半ばに差し掛かっていますね。
各県の新米販売もそろそろ情報が出そろってきたから、内容をまとめりんこだよ♪
しかし動きが鈍いのかニュースになっていない県は情報が少ない。
管理人の脆弱な情報収集能力ではこれが限界だ。
ほう?
動きが鈍いって例えば?
岩手県。
えっ?
ちなみに、2018年度のJA概算金を見ると全体的に値段は上がり気味。
これで4年連続の値上げになります。
い…岩手県産ひとめぼれも微増です(岩手県アピール)!
うむ、我が宮城県も堅実に上昇中じゃ。
確か理由は”業務用米の需要が高まっている”…とかじゃったか?
そう言われることが多いですね。
とは言え、日本のコメ消費量減少は農水省の予想8万tを上回るペースで進んでいるし…そうだね、値上げを単純に喜ぶことはできないんじゃないかな。
値段が上がり過ぎれば、消費者の”米離れ”をさらに助長しかねないからな。

えええ!?
おらたち要らなくなっちゃうの!?
あはは…う~ん…
まぁ当たらずとも遠からず、ってところでしょうか?
えええええええええええええ!?
(誤解しか生まないような回答…)

まぁなんにせよ”米どころ”を自負する県では生き残りをかけた戦いが始まっているってことだろ?
そう言えば~減反政策は廃止になったけれども、
こちらも国の予想に反して~作付面積は増えなかったわね~
不確定要素が多いのが農業の常ですけれども
ここ数年がどの米産地にとっても正念場になることは確かですわね。
よ~し、兎に角見てみよう!
ちょっと!!
わたくしの出番だけなんでないんですのよ!?







北海道

北海道米は2018年度産が近年稀にみる不作。

収量の減から特にエース米で基準が厳しく設定されている『ゆめぴりか』の出荷が滞って各卸に販売できない事態まで発生している様子。
特に認定マークの品質基準を満たす『ゆめぴりか』は前年の約半分、高品質基準となると2割程度しか基準を見たさないという壊滅状態。


そんな北海道では基準を満たさなかった『ゆめぴりか』(9割)と『ふっくりんこ』(1割)のブレンド米をブランド『合組(ごうぐみ)』として販売することを決定。
両者の良いとこどりで、炊飯後時間がたっても粘りと柔らかさを保つことが出来るそう。
新たな試みで今年の危機を乗り越えることが出来るでしょうか?



青森県

新売り文句(?)「さっパリより、愛をコメて」をひっさげて…え?パリったらパリですよ、あのフランスのパリですよ。
さっぱり食感のお米の魅力をもっともっと広めたいと思う情熱のあまり飛んで行ったらしいんですからしょうがないですよ
後追い品種達をけり落とせるか(とはいえ『青天の霹靂』自体、積極的にそういう高級路線を打ち出しているわけでもない)


そんな青森県フラッグシップの『青天の霹靂』は販売は堅調。
生産量約9,000トンの内、県外向けに約7,000トン、県内向けで約2,000トンと、県外重視の販売計画。
概算金額は2017年産額を据え置き14,500円/60kg。

しかしながら2018年度の天候不順から目標収量の540kg/10aに届かない農家が続出し、酷い人では300kg/10aまで落ち込んだとも。
その影響で栽培条件が厳しい『青天の霹靂』に見切りをつけて業務用米として堅調な『まっしぐら』に流れる農家が多くなる、”青天の霹靂離れ”が深刻な様子。
2019年度必要面積2,138ha(1万262トン需要予想)に対して1,566haの作付にとどまる見込みになってしまいました。(前年比16%減708経営体)

収量が取れなければ当然売り上げに影響が出ます、”現在”の営農はもちろん重要で、農家だけを単純に責めるわけにはいきませんが、青森県の未来を担うべき品種が果たしてこのままでよいのかどうか…



秋田県


2010年 山形県『つや姫』
2015年 青森県『青天の霹靂』
2017年 新潟県『新之助』

東日本の中では”高級ブランド米”の開発について明らかに出遅れている感が否めない秋田県。
→「米産県としてトップブランドが無かったのは遅きに失した」(県農林水産部:斎藤部長)

平成27年(2015年)に久方ぶりに秋田県のオリジナル新品種『秋のきらめき』『つぶぞろい』と2大品種を打ち出したものの、正直その後の他県の新品種ラッシュにかき消された感あり。

そんな秋田県でもフラッグシップ(極良食味)米の開発は続行中。
平成26年(2014年)から取り組み、平成28年度(2016年度)には5候補まで選抜。
平成30年(2018年)は最終2候補から1候補への絞り込みを行っています。

登場が待ちわびられるそんな”秋田県最高級米”2022年本格デビュー目標…ってそんなゆっくりで大丈夫なのか、秋田県?
…まぁ遺伝的固定とか原種圃の設置とか種子生産量を考えるとそんなもんなのかなという気がしないでもないですが


2019年2月19日報道によると
穀検による食味試験、消費者や小売業者による食味調査によりいよいよ候補系統を1つに絞ったそうです。
最終的には3月の県や農業団体などが参加する会議で正式決定。
最終候補は『秋系821』【『中部132号』×『つぶぞろい』】。
品種名は今後検討し2020年度に発表する予定。

穀検の食味官能試験では、評価の平均値が他県産の『コシヒカリ』の二倍?の値だったそう。
反収は『あきたこまち』にやや劣る。(「今回は食味に特化したため、栽培のしやすさには目をつぶった」:県農業試験場 川本上席研究員)


※追記※
収量は過去4年間の試験の成績によると、平均して『あきたこまち』より17kg/10a少ない。
登熟期は『あきたこまち』比で12日間遅いとの結果。

暑さと寒さに耐性があり、いもち病にも強いらしい。


岩手県

ニュース記事が極端に少ない。(何故?)

なんといってもフラッグシップ米は『金色の風』『銀河のしずく』の”銀・金コンビ
特に金色の風は今季本格デビュー。

昨年度は食味ランキングで両品種とも「A評価」に甘んじましたが、雪辱を果たさんと燃えている(はず)。


10月13日より県内販売開始。
『金色の風』    1,296円/2kg
『銀河のしずく』  1,026円/2kg


2018年は『金色の風』227ha、『銀河のしずく』1,420haだった作付を増やす方針。


山形県

最強品種『つや姫』を要する山形県は弟分の『雪若丸』がいよいよ本格デビュー!

平成30年度(2018年度)概算金は『つや姫』が過去最高&東北最高の16,000円/60kg、『雪若丸』は13,600円/60kgと決定。(『はえぬき』12,900円/60kg)

9月29日に山形県内でデビューイベントを実施。
10月6日、ザ・キャピトルホテル東急(東京)にてPRキャラクターの田中圭氏も参加してCM発表等イベントを実施。

デビューの今年は約1万トンの生産を見込んでおり、その内の8割はJAが販売。
そのJAが販売する『雪若丸』はすでに9割が事前契約済みという好調。

絶好調の『つや姫』に先導され、続けるか『雪若丸』!?

【続】
2019年2月報道によると

山形県の『雪若丸』は絶好調。

県JAが取り扱う約7,000トンの内、2018年12月時点で県内外含めて約2,400トンが出荷され、なおも各種業者からの手引きは強いそうです。
単純計算で、このままのペースで出荷が続くと新米の時期までに売り切れになる可能性があるそう。
各販売業者の判断に任せる、としたものの、シーズン後半には5kgをやめて2kgの小口販売にするなどの対応が必要ではないか?と嬉しい悲鳴が上がっている様子。

育ち盛りの子供がいる子育て世代を主なターゲットと想定していたそうですが、「『ササニシキ』に似た味わい」のおかげか高齢者層にも受けが良いとのこと。


【山形県の動き】
姫若コンビに加えて『はえぬき』の認知度・ブランド力向上も見込め、県産米が需要増になるという見通しから、平成31年度の県作付面積は5万7,550ha(+884ha)、34万3,000トン(+5,840トン)といずれも増を決定。

まさにトップブランド『つや姫』がけん引し、新登場『雪若丸』もそれを別方面からさらに押し上げる形。
そしてその戦略の基礎を作ったのはなんといっても山形県産米の星、『はえぬき』です。
そんな彼女が姫若に引っ張られて需要が増えている、というのは何とも喜ばしいことです(個人的に)。


2019年産『雪若丸』は2,704haに作付する計画で、これは前年比6割増の大拡大。


宮城県

業務用米『ひとめぼれ』、堅実な需要『ササニシキ』、ニッチな市場を狙う『金のいぶき』に続く高級路線米『だて正夢』が本格デビュー。

いよいよ天下獲りじゃあ!

『だて正夢』の平成30年度概算金額は15,000円/60kg。
301haで生産が行われ、1,500tの出荷を見込んでいます。


2018年10月24日から県内販売開始
【参考価格】
約1,300円/2kg
約3,000円/5kg


2019年産は600haまで作付けを倍増させる計画。


福島県

県オリジナル品種『天のつぶ』は相変わらず低価格(概算金12,200円/60kg)ながら、そのおかげで業務用米としての引き合いは非常に強いらしいです。

秋田県と同じく、高級オリジナル品種路線では出遅れている福島県ですが、これまた同じくこの状況を静観しているわけではありません。

福島県は2021年秋より高級銘柄を市場に参戦させる予定。
『福島40号』『福島44号』の二つの候補品種が今年収穫されました。
2019年春までに消費者、流通業者、飲食業者らを対象とした調査を行い、食味評価を元に1品種に絞り込みを行うそうです。

2020年には10haに植え付け、2021年には100haの作付を目指しています。
最終目標は北海道の『ゆめぴりか』並みの販売額17,000円/60kgとのこと。

福島県ではこの新品種開発関連予算で2018年度に2,500万円の補正予算を組むそうです。

福島の復興をさせるフラッグシップ米になってほしいですね!



新潟県

新品種『新之助』はすでにデビュー済み(二年目)のせいか、いちいち続情報はないようですが…

新潟県の花角知事自ら伊勢丹新宿店でトップセール。
販売額は昨年と同じ3,780円/60kg。
この価格帯と売れ筋を維持できるかが焦点となる年となりそうです。

生産量は昨年の二倍、11,000t(約2,100ha)を見込み…のはずが、干ばつや日照不足などの天候不順の影響か、収量が10,000tまで落ち込み。
ただこれは全国的な傾向。

2019年度産は2,700ha、15,000tを目標に生産するそう。


今年は「まいにち大粒のしあわせ」がテーマだそうです。


頑張れ新潟県!
頑張れ『新之助』!


ちなみに話題になる日本穀物検定協会の食味ランキングには『新之助』の出場はありません。
味に絶対の自信がある新潟県、他機関からのお墨付きはいちいち要りませんとの判断(管理人の勝手な想像)

ぜひ皆さん自身の舌で味わって、判断してみてください!



デビュー3年目を迎える2019年度産は2,680ha(前年比3割増)、生産量は1万5千トン(前年比5割増)に高める計画です。
首都圏など県外でも認知が進んできたとして、ブランドとしての定着を狙います。



福井県


『いちほまれ』

日本一とか謳ってます(態度は最悪)。


2018年産米は約3,000トン。

販売計画では県外向けが約2,000トン、県内向けに約1,000トン。

2018年12月末現在で約1,370トン販売。
県外向けは437トン(販売量の約3割)、県内向けは934トン(販売量の約7割)と県内向けが先行して目標量をほぼ出荷済みの様子。
福井県は好調と言っているそうですが、『いちほまれ』のブランド戦略上、福井県内でいくら売れても実質ノーカウントと見るのが妥当。
この数量が果たして好調なのか…(と管理人は思う)

県外、特に首都圏で売れなければ、高級ブランド米としては成り立ちません。

→続き
2019年3月23日現在の報道によると、約1,700トンを販売し、当初予想以上の好調だそうです。
県内流通分は約1,100トン(増やした?)で、そのうちの8割超となる約900トンが出荷済み(あれ?12月と変わってなくない?)。
県外流通分は約800トン(首都圏約380トン、関西約280トン、沖縄約60トン、中京約40トン)を出荷。


2019年産は800ha、4,000トンの生産。




富山県

昨年はどうもプレデビューに拙速感があった『富富富』が今年度本格()デビュー。

富山県内では10月7日、首都圏では10月11日より販売。

平成30年度概算金額は14,500円/60kg(県産『コシヒカリ』13,000円/60kg)。

当初目標としていた1,000haを大きく下回る531haの作付にとどまりましたが、収穫量2,500tの内約半数に当たる1,000tを首都圏で販売する予定。
木村文乃さんを起用するなどして、約2億5千万円をPRに費やすそうです。

今年度は全量”白米”での販売となるため、都内で玄米販売をする米穀店では取り扱い不可らしいです。
理由は「品質を統一して管理するため」だとか?
ただこれ確実に米穀店から反発食らいませんか?富山県?
→と言うことで。日経トレンディの米のヒット甲子園第五回大会に唯一高級路線品種で不参加

都内では1,500円/2kg、富山県内では1,200/2kgで販売。


ちなみに『いちほまれ』とスズノブさんの店舗前で一般消費者に食べ比べしてもらったところ、6:4で『富富富』が勝ったそうです。


2019年2月
何を血迷ったのか今度は個人販売を許可するそうです。
特栽をしている一部の農家に試験的に…だそうですが、米穀店を敵に回してまで”統一管理”抜かしていたのにあっさり掌返してますよ富山県。
米穀店には一切許可せず、個人農家には条件付きとはいえ許可するとはこれいかに?
詰まるところ「統一管理」なんて負け惜しみ言ってますが、2018年度はそういう米穀店との調整が”出来なかった”のではないのかな?富山県。

負け惜しみと言えば
2018年産の日本穀物検定協会の食味ランキング参加も”戦略的”見送りとかこれまた日本軍の”転身”みたいな負け惜しみを言ってます
品質には自信があるそうですが、栽培技術が確立されていない為、万が一?A評価などになれば『富富富』のイメージダウンにつながるとの懸念から。
デビュー1年目ということで、専用肥料の使用も砂質土の圃場に限られるなど試験的な部分もあり生産面で明らかな準備不足と調整不足、ではなくて試験的な部分が多かったそうです。
県担当者「栽培技術が確立されてからでも遅くはない」←いや遅いと思うんですが

なにもかも後手後手な『富富富』は本当に大丈夫?


2019年産は、ようやく大幅な作付け増に取り組み、1,100haの作付、5,500トンの生産を計画。
2kg袋のみの販売だったものを5kg,10kg袋販売にも対応。
2018年産では精米を県内に限定しましたが、2019年は玄米流通にも対応(やっとか)し、店内で精米するこだわりの米穀店にも売り込むそうです。(やっぱりただの準備不足でしたか、富山県)


石川県

新品種『石川65号(ひゃくまん穀)』二年目の年、9月28日より販売開始。
県産『コシヒカリ』よりも価格を抑えたとのことで、やはり他県の新品種と比べると別路線が際立ちます。


県担当者曰く「将来の県外展開も考えているが、競争が激しい高級路線の土俵に乗るつもりはない」


今年度も昨年に引き続き2kg袋と5kg袋での販売。
全体的な生産量がまだ軌道に乗っていない為、10kg以上の大口販売にはまだ踏み切れないとのこと(Twitterより)

県産米として長く愛される品種『石川65号(ひゃくまん穀)』ですが、北陸三県繋がりで『いちほまれ』や『富富富』と並んで紹介されることも多く、宣伝効果としては良いのかな?
宣伝費を掛けなくとも、宣伝費をかけている他県品種と肩を並べられるってそれだけで知ってもらえますよね。


2019年産は、前年比9割増の1,200haの作付を見込み。
約7,000トンの生産を計画し、『コシヒカリ』より熟期が2週間ほど遅いことから、規模拡大する農家への導入が見込めるのでは、とのこと。

高知県


高知県の新品種『よさ恋美人』は実はとっくの昔の7月30日には販売してました。
「華やかな甘みと香り」がウリの高温登熟耐性を持つ極早生品種。

県産の産地指定の『コシヒカリ』と同程度の価格の2,000円/5kgで販売。


高温に遭った平成30年でしたが1等米比率は80%を超え上々とのこと。
70ha作付、350t生産されました。



鳥取県



鳥取県農業試験場が約20年をかけて開発し…!

というお決まりの文句は置いておいて

鳥取県が将来的に主力の一柱に見据える新品種、鳥系93号『星空舞』が2018年11月2日に県庁でお披露目されました。
命名の由来は「見た目が透き通っていて星のように輝く米」より。

母本『ササニシキBL1号』
父本『ゆめそらら(鳥系IL1号)』≒『コシヒカリSD』×5

と、『ササニシキBL』に『コシヒカリ』の短稈化品種『ゆめそらら』を5回戻し交配した品種です。
これは『富富富』のようなコシヒカリNIL、『コシヒカリSDBL』といったところでしょうか?

高温登熟耐性は「やや強」との評価(この耐性は一体どこから?)
葉いもち病耐性「やや弱」で、穂いもち病耐性の表記がないのは真性抵抗性遺伝子「Pik」の影響かな?(罹病率が低くて判定不能)
耐倒伏性は「やや強」

平成30年度は県内全域の約5.1haで試験栽培
平成31年度(本格デビュー)には300ha、平成32年度(はないけど)には1,000haを計画。
最終的に五年後をめどに作付面積3,000haを目標としており、鳥取県内の主食米栽培面積の25%を占めることになるそうです。

立ち位置としては石川県の『石川65号(ひゃくまん穀)』と同じく”従来コシヒカリと同価格帯”。
高価格帯へと切り込む気はないようです。




まだまだ続く


これは管理人の備忘録的性質のものなので判明次第続々書き足していきます。
神奈川県期待の私も、今年度活躍が見込まれてますよ!
そんな感じで、キヌヒカリ勢は躍進目覚ましいよ!
私もいるクマ!
と、いう訳で
未だ未完、スカスカですが今日はこれで終わりです。




…から2019年2月19日に少しだけ追記しました、だそうです。















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