2000年8月8日火曜日

福井県の新品種 越南291号『いちほまれ』 育種・宣伝・食味・特徴等過去ログ

意味も無く、無編集の過去文を載せているだけの場所




〇宣伝文句は嘘だらけだし、福井県に問い合わせも無視ばかり、で荒れてた頃

北陸4県が新品種の名乗りを上げる中、一番凄そうな雰囲気を感じそうな曖昧な情報は多く出しているものの、育種等の肝心な情報はやけに小出し…なのか福井県農政関係者は無知な人間が集まっているのかの福井県の新品種『いちほまれ』の擬人化です。(いやこれ本当に)
H30.9月現在、宣伝の仕方については一番意地汚いです。

率直に言って、大いに疑問なのは、H29.10にプレデビューまでした『いちほまれ』の明確な)情報がほとんどと言っていいほど出ていないことです。
わたくし、ネットが万能などとは毛ほども思っていませんが、大本である福井県が発信している情報ですら信用性に欠けており間違いも含んだ三文記事ばかり出回り、こんな惨憺たる有様で、来年から本格生産のはずですが、地元福井県の生産農家などにちゃんと情報は行き渡っているのかな?と、要らぬ心配ですが考えてしまいます


さてさて

相対評価値である日本穀物検定協会の食味官能試験の結果をさも絶対値であるかのように扱って『つや姫』や『新之助』よりも優っている、素晴らしいなどと吹聴していたり(いや相対値でも0.7という数値は優秀だということはわかるんですが、注意書きも載せず対比しているのは明らかに汚い上に、同じ食味官能試験値で『コシヒカリ』が0.55というのも…数字自体が何か怪しい

50万円と大盤振る舞いの副賞につられて、さらにTwitterでハッシュタグをつけるだけでよいという応募の簡易さも手伝ってか、『一人で500件』に見られるような応募が乱発したにもかかわらず、さも他県品種より注目度が高いように吹聴していたり(いや確かにある意味注目度は高いんですが…→【関連記事】『米』としての関心度はどうなのさ?


「全米史上最高ブランド誕生!」などと無根拠に大々的に銘打っていたり(食味や事前評価や試験場の評価がそのまま米のブランド力につながるのならば我が山形県の『はえぬき』ちゃんは苦労しません。米品種としての優秀さとブランド力は別物です。)
これでも消費者に印象付けられれば戦略としては勝ち…ということでしょうか?

なんだかなぁ…
福井農試は色々交配したストックを持ってて、ポストコシヒカリのプロジェクトが立ち上がったから、ストックの中から「目標に合った候補」を選んで育種を開始した…?
そもそも世代促進しかしていないストックの中から育成目標に合ってる候補を選べるんですかね?
『コシヒカリ』を育成した時のように取り合えず交配した中から探してみようかなんて、まさかそんな本当の(悪い意味での)「コシヒカリを育てた技術」を使ったなんてオチではないですよね?


かつて『コシヒカリ』を選び抜いた福井県(と言ってもこれ自体は正直自慢できるような褒められた話ではない…)が、”ポストこしひかり”(なんでひらがななんだよ)と銘打って選抜した越南291号『いちほまれ』。
そして上ではいろいろ批判していますが、生育特性、食味、共にポテンシャルが非常に高い品種であることは間違いないようでしょう。

○品種名?商標名?(2017.8時点)

『いちほまれ』に限った問題ではありませんが、後述するようにネットで検索できる各種(新聞)記事には時折「えっ?」という誤記・誤表現があります。
『福井県の新品種名称決定「いちほまれ」。品種名は「越南291号」』
これはマジなのか、勘違いなのか。(勘違いであれば仮にも記事を書くのが専門のブンヤさん、少しは勉強してほしいものだが…)
私は品種名が「いちほまれ」に決まったものだと思っている…が…?
因みに
『山形95号』と『東北194号』は夫々地方系統名がそのまま品種名。
売り出すときの商品名は別途存在する。
山形95号…『夢まどか』『雪きらり』『ひだまり』『星ひめ』
東北194号…『ささ結』『いくよちゃん』
これであれば名称『○○○』、品種名は『◇◇◎◎号』と言う表現は正しい。
でも普通高級ブランド化を目指す品種が名称(商標)・品種名別々なんてあるのかなぁ…
→ありませんでした。地方系統名『越南291号』、品種名『いちほまれ』です。

○20万品種から選抜?育種期間6年?嘘だしょ?(2017.10時点)

さらに
どこの新聞にもウィキペディアにも『20万種から選抜』の文字が乱立。(『20万品種から』という勘違いさんは放っておきましょう)
…うーん…
wikiによれば初っ端から『20万種より12,000種へ選抜』、後5年間毎年選抜を行っていることになっているが…F1の交配、品種の固定はいつ行った?
え?
本当にいきなり20万種から選抜したの?
そんなにたくさんどこから候補株持ってきたわけ?
え?え?え?まさか現代で分離育種法が使える品種があったのか!?
えーと…wikiによると…?
高温耐性の遺伝子をDNAマーカーで判別する技術を活用して20万種の中から…いやだからその20万種(株?)は一体どこから降って湧いて出たし!?森のくまさんの記事以来、wikiが全く信用できん…)
通常育種は交配した後の種子(F1)、せいぜい100種程度から…集団育種法であれば世代促進後のF5~6、系統育種法ならF2から、選抜していくもの…だと私は思っていた。
毎年選抜しているのが本当だとすると系統育種法に大別されるように思えるが、それにしても最初から20万もの系統がどこから降って湧いて出たのか…そもそも公表されているような『6年』と言う育種期間が誤りのようにも思えるのだが…→やはり福井県の大嘘でした(H29.10.12確認)
消費者が気にするようなことでも問題にするようなことでもないので良いという認識なのか、『20万の中から選ばれた!』というこれまた曖昧で無根拠な『凄いイメージ』を植え付けたいのかわからないが、なんとも謎である。


と思ったら…


農水省のページにちゃんと育種経緯が書いてありました。
『20万種』はやっぱりちゃんと世代促進が終わった個体だそうです。
ですよね
そりゃ当然だ。
『遺伝子マーカーによる選抜を行いました~』宣伝は良いのですが、交雑育種法に変わりはないのだから、『育種目標』にあてはまる『親品種』があり、交雑によって多種多様な個体が発生してこそ選抜できるはず。
多種多様な集団がないのに遺伝子マーカー技術を選抜に活用…出来るわけないのでは?
初期の段階をすっ飛ばして『20万種から選抜!』と宣伝。
というか通常の「育種期間」はその初期の親の交配から数えるはずですが、なぜか福井県は「いちほまれ」の育種期間をこの世代促進が終わった集団からの選抜開始から数えてます…無知なんだか確信犯なんだか…
なんだか汚いなぁ…(管理人の偏見)
…すみません
われらがつや姫も『10万分の1の奇跡』なんて謳ってました。


いつになったら交配組み合わせ発表になるんだよ!!!(H29.9.15)
→なりました(H29.10.12)


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ちなみに
新潟県の新品種『新之助』のウィキペディア記事内にはなぜかこの越南291号『いちほまれ』の記載があります。
『新之助』の記事なのになぜか「『いちほまれ』は食味官能評価値が0.7で高い」…との表記。
繰り返しますがこれ、新潟県の『新之助』の記事内ですよ?
私が邪推しているだけで単純に北信越地方で関連のある新潟県と福井県だから併記してあるだけなんでしょうね…ええ、きっとそうなんですよ…
『いちほまれ』のウィキペディア記事内には『新之助』を称える表記はありませんがね(H29.5.1現在)
なんだか黒い意志を感じます…
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②「『富山67号』を母に」が抜けたのか?
 もしくは父本が『てんこもり』『イクヒカリ』の二種で様々な交配を行ったという事なのか…な?
 一つの交配だけで候補株20万というのも少し多すぎる気がするので(新潟県の『新之助』は500組の交配で20万の候補株)それはそれでありそうな話…う~ん?でも普通多様な系統を試すんじゃないのか…なぁ…?
 →eco-farmerさんから追加情報頂きました。ありがとうございます。
  少なくとも富山67号『てんこもり』が母本、越南176号『イクヒカリ』が父本で良いようです。
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→時間たったので消しました。
 日本育種学会での資料に対するツッコミ




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福井県の情報に依れば
平成23年(2011年)にポストコシヒカリ開発部が新設され、育種開始?
【wiki】20万種から12,000種にDNAマーカーを利用して高温耐性に注目して選抜←間違い
【福井県】平成23年に「コシヒカリ」を生んだ福井県農業試験場が、60年以上にわたり蓄積してきた水稲育種の経験と交配により育成した20万種の候補株の中から玄米の見た目が『コシヒカリ』よりきれいなものを選抜。(パンフでは草丈と高温耐性遺伝子って言っているがどっちなんだよ福井県!?)


ってどっちにしろなんでここが『育種開始』なのでしょうか?


集団育種法の場合『①交配→②世代促進・選抜→③系統選抜→④各種試験・固定→⑤育種完了』(選抜方法などによって多少の差異はあります。)をもって『育種期間』としているはずですが、福井県はなぜか①、②の過程をごっそり抜いてます。私自身素人ですのでもしかしたらこれも正常な表現なのかもしれませんが、少なくとも私はこのような育種期間の数え方を見たことがありません。何もわかってない福井県の農政関係者が勝手に間違った表現をしたんじゃないのかな


加えて60年以上にわたり蓄積してきた水稲育種の経験と交配により育成した20万種』もはや厨二病なんじゃないかというレベルでもやっとした表現で意味不明。福井県の農政関係者が勝手に表現をしたんじゃないのかな
ということでこれ以降はもうWikipediaも福井県のHPも信用できません。



正確には(以下推測も含まれます(2017.12.31)
平成19年(2007年)に中晩生・玄米外観品質、および高温耐性に優れる『てんこもり』を母本、中生・食味に優れる『イクヒカリ』を父本として人工交配。
加えて母本・父本共に耐倒伏性は「強」。
育種目標を【玄米外観品質が優れ良食味】かつ【高温耐性に優れ】かつ【倒伏しにくい】品種と定め、それに合った交配組み合わせを選定したのは明らかです。(「60年以上蓄積してきたなんたら」よりもまずはこういった基本的なことがあるはずなのですが…?)
おそらく同年冬にF2世代の養成をしたものと思われます。※農水省HPより
平成20年(2008年)も同じく集団養成(F3)。
そして平成21年(2009年)のF4世代より、おそらく稈長や草姿等を主に個体選抜が開始されたはずです。
同じく平成22年(2010年)も養成した世代をさらに個体選抜(F5)。

平成23年(2011年)、ここで【ポストコシヒカリ開発部】設立。
『ポストコシヒカリ』とされる品種の育種目標は以下の三点。

1.消費者の好みに合った味わいのある「おいしい」品種
2.夏の暑さでもきれいに実り、倒れにくい品種
3.病気に強く、有機質肥料で安定して栽培でき、農薬や化学肥料の使用を減らし、ふるさと福井の自然に負荷が少ない『環境にやさしい』品種←言うほど減らしていない点について

この年に『20万→1万2千まで玄米品質…その他に依って選抜が行われました』とテキトー野郎の福井県(農政サイド)は言っているんですが
信頼できる(はずの)福井県農業試験場によれば平成29年(2017年)はF12に当たるらしい(※参照)ので、この年はF6世代となり選抜を始めるには少し遅すぎます(DNAマーカーあるんですよね?)。
福井県農業試験場の発表文内では、この年から生産力検定試験を始めていることになっているので、個体選抜を二回経ていると仮定すると、整合性があります。

複数の交配元を持ち、かつ選抜過程がバラバラなものを一緒くたにして大ウソつきの福井県(農政)が「20万種!!!」と、サバを読んでいる可能性が高い気がしますが…
最終候補で地方系統名”越南”が付けられた個体が4通りと言う事を考えると、同一交配から4つの地方系統名付与品種が出るとは考えにくいので…というか通常育種で個体選抜に用いられる株数は1交配につき2,000~4,000個体なので20万種の選抜母数の用意には最低50交配組合せが必要なはずです。(新潟県の『新之助』は500交配組合せ20万個体から選抜したそうですよ)
でもこの年はもう系統選抜に入ってるように思えるしなぁ…なんなんだよ福井県。

翌平成24年(2012年)にDNAマーカー技術を使用(か併用して)12,000種から2,000種(プロジェクト全体の数と推定)に選抜…とかこれまた福井県(農政サイド)は言っているんですが、もはや何もかも疑わしいので内容不明、としておきましょう【H29.12.31】。
この年に福井新聞の動画ニュースで清水場長が「全国で初めて高温に強い遺伝子を解析して~…」と答える動画を発見。この年にDNAマーカーによる高温耐性個体の選抜をしたことは間違いない?

戻って平成28年(2016年)、F11世代に『越南291号』の地方系統番号が付されます。
この年に福井県は銘柄設定(選択銘柄)として『越南290号』『越南291号』『越南292号』『越南293号』の4品種を申請しており、この中から福井県民の食味評価を参考に専門家による最終選考が行われ、『越南291号』が選ばれました。
そして平成29年(2017年)4月19日、『いちほまれ』の名称決定が発表されました。(当初は平成29年3月発表のはずでしたが、Twitterでの粗製乱造応募数の多さに選定作業が遅れたとのこと。)
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→育種論文発見したので大幅改定。
 福井県が大げさに事を書いていたことが露呈。




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富富富 過去文

〇交配
平成15年に新品種開発プロジェクトがスタート。(したらしい)
しかし
H29.10時点、新品種達の中で唯一交配組み合わせが不明。
『高温に強い米』と『コシヒカリを改良した米』を交配した、との記事や、富山県の説明資料では『コシヒカリ』に『耐倒伏性・耐高温性・耐病性に優れる品種』を交配…となんともモヤモヤした説明ばかり…なんなんだ?
一番詳しい?のはJAみな穂?ですがそれすら
F1?【『ハバタキ由来の暑さに強いイネ』×『いもち病に強く倒れにくい改良コシヒカリ』】×『いもち病が悪化しにくい改良コシヒカリ』
……曖昧が過ぎませんか!?
とにかくインディカ米の改良種『ハバタキ』が絡んでいるということはわかりましたが…
ちなみに
富山73号からの交配情報を見るに、近年富山県は『コシヒカリ』や『てんたかく』の戻し交配を多用しているようですので、改良コシヒカリという文字が乱立しているあたり、これらを親品種にして…いるのかもしれません。
となると『富富富』は、『コシヒカリ』にいもち病抵抗遺伝子のみを導入した『コシヒカリBL』のような極『コシヒカリ』に近い『コシヒカリ改良品種』と推測できます。

選抜には遺伝子解析技術が用いられ、開発労力と期間の短縮が図られたそうですが、その割には育種期間は「15年間」とされておりかなり長い印象。(戻し交配なら選抜の際に労力の縮小には繋がったのでしょうけども…)
…曖昧が過ぎるぞ富山県。

2000年7月7日金曜日

誰でも正解できるクイズ【解答】03-04


正解!

 
仲間はずれは『こゆきもち』!
他の3品種が粳米なのに対して、『こゆきもち』だけは糯米です。
粳と糯の違いをちゃんとわかっていますね!

産地品種銘柄の分類は「うるち」「もち」「醸造用」に分かれていますが、稲の性質としては「粳」と「糯」の2分類。

醸造用玄米である酒造好適米もあくまでも粳米なので、この中で「糯」になる『こゆきもち』だけ仲間はずれ、となります。












誰でも正解できるクイズ【解答】03-03


正解!

 
仲間はずれは『きたしずく』!
他の3品種の出身県が山形県なのに対して、『きたしずく』だけは北海道出身です。
お米の出身地をちゃんと覚えていますね!

…まぁこれに関してはあまり語ることはないですが…
北海道出身の品種は北海道だけで栽培されているので、産地と結びつけやすくて覚えやすいと思います。
青森県も出身品種は青森県だけで栽培されていることがほとんど(酒造好適米『華吹雪』のような例外あり)なのですが、最近『コシヒカリ』なども銘柄設定されるようになって少し紛らわしいところはありますね。

平均して稲作が盛んとはいえない西日本では農研機構開発品種が幅をきかせていますので、これもなかなか「どの県の品種?」というのがわかりにくくなってますね。









誰でも正解できるクイズ【解答】03-02


正解!

 
仲間はずれは『雪女神』!
他の3品種がいもち病真性抵抗性遺伝子型「Pik」と推定されているのに対して、『雪女神』だけは「Pik」を持っていません(と推定される)。
真性抵抗性遺伝子をチェックしているとは…一般人はまず気にしない・知らないレベルのお米知識ですよ!(デジャヴ)

山形県において「Pik」は侵食出来るいもち病菌レースが現在少なく、これだけで目を見張るような効果があります…が、単一の真性抵抗性ではいずれ抵抗性の崩壊が起こることが知られており、あくまで「見かけ上強い」ことには留意が必要です。
いもち病菌のレースの変化によって、意味を成さなくなる時がいずれ来るのです。
いずれにせよほ場抵抗性に比べると、実務的な意味でも(試験場の人以外は)知る意味はあまりないかもしれません。

同じ「Pik」持ち(と推定される)の3人ですが、前述の通り山形県の2品種については穂いもち病抵抗性の判定が出来なくなっており「不明」となっています。
ちなみに『雪女神』『きたしずく』共に「やや強」との判定です。










誰でも正解できるクイズ【解答】03-01


正解!

 
仲間はずれは『つや姫』!
他の3品種の栽培地(銘柄設定)が1つの道県なのに対して、『つや姫』だけは複数県で栽培(銘柄設定)されています。(穀検の食味ランキング特A獲得、でも可)
そのお米がどんな産地のものがあるか、よく把握できていますね!
しかし『つや姫』は最低でも特別栽培が課されている高品質の山形県産一択!

『つや姫』は山形県の最高級品種として厳重に管理されていますが、『はえぬき』の県外作付けを制限したせいで知名度が上がらない悪夢を見せられた山形県は、厳重管理とは相反しますが県外作付けにも積極的でした。
なによりその高温登熟耐性と品質の高さは他県にとっても魅力的なはずで、山形県外であっても栽培者に一定の要件を求める条件付きではありますが、複数の県で『つや姫』は銘柄設定されています。

『きたしずく』は北海道出身ですから、そもそも北海道の品種で道外で栽培されている品種はありません(多分)。
『雪女神』『こゆきもち』はそれぞれ山形県オリジナルの大吟醸用酒米と糯米で、山形県内のみの作付けです。

ちなみに、産地品種銘柄の設定状況なので、他の県でも待ったく「栽培されていない」と言い切ることは出来ません。
しかしどれも一般品種ではなく登録品種ですから、銘柄設定地以外で作付けしていると「おい、その種籾どこから手に入れた?」と疑念はわいてしまいますね(私見)
※登録品種は有償・無償問わずに育成者の許可を得ない種子の譲渡は違法です。「タダであげるよ」もアウトですので要注意。









誰でも正解できるクイズ【解答】02-04


正解!

 
仲間はずれは『華さやか』!
他の3品種が草型「穂重型」なのに対して、『華さやか』だけは「偏穂重型」です。
細かい草型の違いをしっかりと把握しているとは…やりますね!

仮に同じ収量を持つ品種でも、1つの穂につく籾の数は少ないながら穂の数が多かったり、もしくは1つの穂につく籾の数が多くて穂は少ない…など、穂の形態が違います。
これを草型として

穂の数の多い「穂数型」(1つの穂あたりの籾数は少ない)
1つの穂あたりの籾の数の多い「穂重型」(穂数は少ない)
そして中間に当たる「中間型」

として判別しています。
小さな穂をたくさん持つ「穂数型」と、大きい穂を少数持つ「穂重型」の方がわかりやすいですかね。(両者の中間が「中間型」)

『出羽燦々』『五百万石』『ひだほまれ』は「穂重型」ですから、穂の数は少ないながら1つあたりの穂につく籾の数が多い(穂が大きい)品種と言うことですね。
『華さやか』は「偏穂重型」ですので他の3人よりは穂が小さめで、数も少ない(「中間型」寄り)と言うことですね


『華さやか』のプログルテリン(胚乳タンパク質)を知っていてこれを選んだ方がいれば…
かなりのやり手ですね…!











誰でも正解できるクイズ【解答】02-03


正解!

 
仲間はずれは『ひだほまれ』!
他の3品種が穂発芽性「やや難」なのに対して、『ひだほまれ』だけは「やや易」と判定されています。
収穫期の倒伏や長雨による品質への影響に関係する穂発芽性、その耐性をよく把握できていますね!

収穫期に穂がつき、重くなることに加え、そこに雨や強風で負荷がかかると、茎が弱い品種などは倒伏してしまいます。
地面に付いたり、水に浸ったり…「米」は稲の「種子」ですから、それでは種まきされたのと同じような状態になってしまい、穂に付いた状態のまま芽を出してしまうことがあります。
そんな「穂発芽」をしてしまうと、食べられないわけではないのですが等級は下がりますし、食味や品質に大きな影響を及ぼします。
ですから「穂発芽しにくい」品種であればそれに越したことはなく、『コシヒカリ』が倒伏しやすいながらも普及できたのはこの穂発芽性が「極難」と非常に発芽しにくいのも大きいと言われています。

穂発芽しやすい『ひだほまれ』は他の3人に比べて刈遅れや倒伏に要注意、ということですね。













誰でも正解できるクイズ【解答】02-02


正解!

 
仲間はずれは『五百万石』!
他の3品種がいもち病真性抵抗性遺伝子型「Pia」と推定されているのに対して、『五百万石』だけは「Pia」を持っていません(と推定される)。
真性抵抗性遺伝子をチェックしているとは…一般人はまず気にしない・知らないレベルのお米知識ですよ!

東日本ではわりかしメジャーな「Pia」「Pii」は侵食出来るいもち病菌レースも多いようで、これだけで目を見張るような効果は期待できません。
ほ場抵抗性に比べると、実務的な意味でも(試験場の人以外は)知る意味はあまりないかもしれません。

同じ「Pia」持ち(と推定される)の3人ですが、穂いもち病抵抗性は
『出羽燦々』=「やや弱」
『ひだほまれ』=「やや強」
『華さやか』=「極強」
と大分幅があります。
ちなみに『五百万石』は「やや弱」です。













誰でも正解できるクイズ【解答】02-01

 


正解!

 
仲間はずれは『出羽燦々』!
他の3品種が地方系統名に「系」が付くのに対して、『出羽燦々』だけは地方系統名に「系」がありません。
稲の品種としての特性などとは少し違ったところでの仲間はずれ、気付けるとはなかなかのお米知識。

系適番号(地方系統名が付与される前の仮の試験番号)である『秋系821』が有名なことでややこしいですが、彼女ら3人は正式な地方系統名(「号」が付いてますよね)ですので『秋系821』とはまた別モノです。

地方系統名を見ればどの試験場で品種として認められた(品種登録ではない)かわかりますね。









誰でも正解できるクイズ【解答】01-04

正解!

 
仲間はずれは『ミルキーオータム』!
他の3品種が産地品種銘柄に設定されているのに対して、『ミルキーオータム』だけは設定なし(令和元年度現在)。
産地品種銘柄の設定状況をしっかりと把握できていますね!

『ミルキークイーン』は全国35府県と幅広く設定。
『ミルキーサマー』は千葉県と、沖縄県に。
『ミルキープリンセス』については秋田、福島、群馬、和歌山の4県で設定されています。

『ミルキークイーン』を栽培する大規模農家の作業期分散を目的として、早生(極早生)の『サマー』・中生(早生)の『クイーン』・晩生の『オータム』の3姉妹が育成されたわけですが、平成30年に育成完了したばかりの『ミルキーオータム』はまだ銘柄設定には至っていないようです(令和元年度現在)。
より農地の集約が進めば『ミルキークイーン』銘柄設定地でサマー・オータムの活躍が増えるかもしれませんね。













誰でも正解できるクイズ【解答】01-03


正解!

 
仲間はずれは『ミルキープリンセス』!
他の3品種が縞葉枯病に罹病性(抵抗性なし)なのに対して、『ミルキープリンセス』だけは抵抗性あり。
ミルキー系統が縞葉枯病に弱く、栽培できない地域があることをちゃんと把握できてますね!

『ミルキークイーン』の姪っ子にあたる『ミルキープリンセス』。
パキスタンの稲品種『Modan』から導入した抵抗性遺伝子のおかげで『ミルキー三姉妹』が栽培できない縞葉枯病多発地帯での栽培が可能です。

(『ミルキークイーン』と直接の血の繋がりがない…もある意味正解かも)












誰でも正解できるクイズ【解答】01-02


正解!

 
仲間はずれは『ミルキーサマー』!
他の3品種の出穂期が8月(育成地基準)なのに対して、『ミルキーサマー』だけは7月が出穂期(育成地基準)。
育種論文を確認してこんな細かいことに気付けるとは…侮れないレベルのお米知識ですね!

ミルキー三姉妹(公式)の次女である『ミルキーサマー』。
沖縄県や千葉県の早場米での栽培を想定している『ミルキーサマー』はやはり出穂期もピカイチで早いです。
インド品種の遺伝子を導入することで「早生化した『ミルキークイーン』」と呼べるのが、この『ミルキーサマー』です。
逆に『ミルキーオータム』は「晩生化した『ミルキークイーン』」ですね。









誰でも正解できるクイズ【解答】01-01


正解!

 
仲間はずれは『ミルキークイーン』!
他の3品種がパキスタンやインドといった外国の稲由来の遺伝子を導入※しているのに対して、『ミルキークイーン』だけは純日本種。
ちゃんと品種の交配組み合わせを把握出来ていますね!

『コシヒカリ』のアミロース関係遺伝子が変異したのが『ミルキークイーン』なので、外から遺伝子を導入したりしていません。
だからこそ『美白米女王』という漢字表記を与えられているのです(嘘)。


※「遺伝子組み換えではない」…ってわざわざ書かなきゃだめですかね。ご時世的に。









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