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2018年3月24日土曜日

漫画 平成29年度日本穀物検定協会食味ランキング 魚沼産コシヒカリ特A陥落


【全評価掲載】日本穀物検定協会 食味ランキング【平成元年~】


























平成29年度日本穀物検定協会の食味ランキング
平成元年の特A評価設定から唯一、28年間連続特Aを獲得してきた『魚沼産コシヒカリ』がA評価となり、連続特A記録が途切れることとなりました。

同じ新潟県内では『上越産コシヒカリ』『下越産コシヒカリ』『佐渡産コシヒカリ』は特A評価を得たものの、やはり連続記録を持っていた魚沼産のA評価への格下げは新潟県に少なからず衝撃を与えました。
この特A陥落に際して地元農家からは「どこのサンプルを使っているか公表されていない」とか「一緒くたにされては困る」等々不満も出ているようですが、サンプルの提出は新潟県自身が(おそらく)多大な時間をかけて選定しているはずなので、特Aを取ることを目標に考えうる最高のサンプルが提出されて(&再選考・再提出もした)いることは間違いないはずですので、ちょっとこの非難は的外れ。
食味ランキングに関する苦悩について、詳しくはコチラに記載あります(よそ様の投稿です)。


とは言え
選考内容とA評価への格下げの理由は未公表とされているので、品質が落ちてもいないのに格下げされることに納得できないという言い分は共感できるところがあります。
山形県産のはえぬきも平成28年度に続き平成29年度もA評価です。
22年間の特A実績がありながら、県のデータ上は品質も上々だというのに、食味ランキングの結果が振るいません。
特A陥落に際して昨年度は選考方法(サンプルの取り扱い方法)の変更、今年度は夏季の天候不良が原因ではないかとは言われていますが、前者は兎も角、後者は数値上ほぼ影響は無い…はずなのに評価を下げる事例が相次いでいます。
岩手県県南産のひとめぼれも今年初めて評価を下げました。
やっぱり政治的配慮かなんかで古株の特A品種を意図的に格下げしてるんじゃないかな?
平成28年度から食味ランキングは大荒れですが、基準米の変更は発表されていません。
…複数産地のコシヒカリブレンド…新潟県産に変更になったのか(な訳ない)





ところで
この『魚沼産コシヒカリ』、途中で世代交代していることについて(一時期だいぶ騒がれましたが)実際のところ、あまり知られていないかもしれません。
というか少なくともそのことに触れている記事がみつけられませんでした。

平成17年(2005年)産より新潟県産の『コシヒカリ』は『コシヒカリ新潟BL』の4種混合、『コシヒカリIL』に置き換わっています。
その為、漫画の最終ページにも記載していますが、”28年連続の特A”も実は品種で見ると『コシヒカリ』が16年連続、『コシヒカリ新潟BL』が12年連続の、”都合28年連続特A”という表現になります。


コシヒカリBLのことを
”遺伝子組み換えだ”とかいまだに騒いでいる人がいたらその人はもう末期です。手の施しようがありません。
”食品偽装だ”とかいまだに騒いでいる人がいてもだいぶ重症です。手の施しようがありません。
”まるで違う品種だろう”と騒いでいる人は稲の品種の定義について少しは調べられたらいいと思います。まだ間に合います。



繰り返しになりますが
昨年平成28年度では『魚沼産コシヒカリ』に次いで連続特A評価を受けていた『山形県産はえぬき』がA評価になり、今年平成29年度には平成16年から13年連続特Aを受けていた『岩手県県南産ひとめぼれ』もA評価になるなど、安定していたはずの古株特A産地でA評価になる事例が目立ちます。

しかしそれもむべなるかな、といったところでしょうか。
品種『コシヒカリ』が特Aを連続して取っていた時代(平成元年~16年)など、特A評価を受けている品種はコシヒカリ自身のほかにはコシヒカリ御三家の『ひとめぼれ』『あきたこまち』『ヒノヒカリ』がほとんど。
あとは山形県の『はえぬき』と岐阜県の『ハツシモ』が単独で加わるのみ…

そもそも安定して特A評価を受けているのは
岩手県『ひとめぼれ』
秋田県『あきたこまち』
宮城県『ひとめぼれ』
山形県『はえぬき』
福島県『コシヒカリ』
新潟県『コシヒカリ』
基準米が『日本晴』だった時代でありながら、これだけの県と品種だけしか特Aを安定してうけていなかったんです。


それが今や各県独自のオリジナル品種の台頭が目覚ましいです。
平成29年度で特A評価43銘柄という数は勿論のこと、北は北海道から南は九州まで、各道県オリジナル品種での特A評価が目立ちます。



先代コシヒカリよりはるかに厳しいそのような状況で12年間連続特Aを守ってきた『魚沼産コシヒカリ新潟BL』は誇ってよいと思います。
平成29年度も3産地銘柄では立派に特Aを獲得もしました。
しかしわかります。
”連続でとる”ということの意義を、価値を、そしてそれがとぎれたことによる影響があることを。
世間一般でどのように評されるのか。



ただ彼女に伝えたい。
”お疲れさまでした”と。




PS
実は『新潟県佐渡産コシヒカリ(BL)』は現在13年連続特A記録を維持。
『新潟県魚沼産コシヒカリ』の16年連続特A、『山形県内陸産はえぬき』の15年連続特Aに迫り、『岩手県県南産ひとめぼれ』の13年連続特Aに並びました。
コシヒカリBLは佐渡産で輝いていますよ~

日本穀物検定協会 食味ランキング


食味ランキング特Aランク年次表

H28年度結果 

01.はえぬき陥落02.特A陥落者たち03.ひとめぼれ 宮城県産特A陥落04.コシヒカリ 特A堅持05.青天の霹靂 2年連続特A06.ヒノヒカリ つや姫 あきたこまち特A獲得も…07.特A評価復刻組08.新規特A獲得組09.特A獲得堅持組

H29年度 

H29結果総覧
魚沼産コシヒカリ 特A陥落
01.はえぬきまたも陥落02.岩手県(ひとめぼれ)特A陥落…







2017年11月19日日曜日

~男米→新男米→ふくおとこの品種改良?の系譜~ザ!鉄腕!DASH!!

本日の「ザ!鉄腕!DASH!!」はTOKIOが品種改良(?)した!という触れ込みの『ふくおとこ』スペシャルでした。

後で改めて書きますが始めに結論。
この『ふくおとこ』は新品種新品種と謳われていますが”品種”と呼べるものではありません。
『新男米』を紹介するサイトなどでは「いつか品種登録を…」なんてことが書いてある場合もありますが、番組内の内容を見るに、今のままでは永遠に不可能です。


公式に”品種”と呼べるものではないので、残念ながらよく話題になる日本穀物検定協会の食味ランキング評価されるようなものではありません。



ただ、始めに言っておきますが、私は「ザ!鉄腕!DASH!!」大好きです。
もう本当に大好きです。

今回は「稲の品種改良」について少し書こうかな、というだけで批判する気はさらさらありません。
あ、でも
この『ふくおとこ』を検索すると、今回の放送内容「農家の苦労がわかる回」みたいな表現をよく見かけるんですが農業試験場の皆さんの苦労が分かる回」だしょ!?


目次



〇『ふくおとこ』の系譜・親品種達

まずは『ふくおとこ』の系譜図を下に示します。
母本の『新男米』、さらにその親株の『男米』については交配品種の記載はあるのですがどちらが母本でどちらが父本か明記されていませんでした。
…恥ずかしながら私も記憶にありませんので、仮の母本と父本を割り当ててます。
鉄腕ダッシュの公式HPをよくよく見たら記述がありました。

●男米
平成14年(2002年)に交配(?)。
これは”品種改良”というより”新品種開発”のようなニュアンスでしょうか?
『ひとめぼれ』と『たかねみのり』を圃場に1本1本交互に植えて、開花期を合わせることで自然?他家受粉させて(?)生まれたのがこの『男米』。
…えーと…正直稲は開花時に花粉がはじけ飛んでしまって9割8分は自家受粉してしまうので別品種を交互に植えたところで…交配するのは100粒に1~2粒では…?
なんだかそもそも『男米』は『ひとめぼれ』もしくは『たかねみのり』そのまんま説急浮上です…『男米』はいもち病に弱いってことは…『ひとめb…
ですがまぁ交配したことにしておきましょう…いやきっと選抜してますよ…うん…
自然交配(?)なのでどちらが母本でどちらが父本かは不明です。

●新男米
平成19年(2007年)に温湯除雄法を用いて人工交配。
いもち病に弱い『男米』の耐病性の改善が目的。DASH村初の人工交配(品種改良?)。
『ふくおとこ』の交配ではわざわざ手作業で雄しべを除いていましたが、『新男米』の交配の際はスタンダードに温湯除雄法で花粉を除いて(死滅させて)いたようです。
(【温湯除雄法】…43℃のお湯に7分浸けると雌しべは生きたまま雄しべの花粉だけ死滅させる事が出来る素晴らしい除雄法。)
母本の『男米』にいもち病に強い父本『ふくみらい』の花粉を交配。
この翌年に栽培した際、『新男米』の中でいもち病にかかるもの(交配成功?)とかからないもの(交配失敗?)が出て、罹病した株は刈り取り、選抜されました。
…これっていもち病にかかったのが『ひとめぼれ』交配株で、かからなかったのが『たかねみのり』交配株ってことじゃ…
いや、野暮はやめましょう。

『ふくおとこ』~系譜図~



今日の番組で紹介されていたので『ふくおとこ』の母本・父本は明確です。
母本は番組オリジナルの『新男米』。『男米』のいもち病抵抗性を改良したもの(前述)と紹介されています。
父本は『チヨニシキ』。愛知農総試育成の耐冷性・耐病性に優れた品種です。

温湯除雄法ではなく手作業で『新男米』の雄しべを取り除き、『チヨニシキ』の花粉を交配。
4,000粒の交配を実施して、得られた種子は107粒。
107粒の内、播種して発芽したのは57株。
交配に成功したと判断されるのは内35株。
この35株が『ふくおとこ』とされてます。
収量1kgの内、半分の500gを炊いて食べていましたね。



〇『ふくおとこ』は品種?なの?

さて改めまして
おそらく現代の常識から言えばこの『ふくおとこ』はとても”品種”と呼べるレベルのものではありません。(親株の『男米』、『新男米』と共に、ですが。)
繰り返しますが私は「ザ!鉄腕!DASH!!」大好きですよ?
批判とかではなく、あくまでも育種という視点からこの『ふくおとこ』を見ると?という話題です。

この『ふくおとこ』まだ雑種第1代です。
収穫された35株はこの代では比較的同じ性質を示しているとは思いますが…
交雑育種法を用いている以上、この種子をまいた雑種第2代からは一気に多種多様な性質を示す雑駁・雑多な集団へと変貌します。

”メンデルの法則”は有名ですよね?
赤い花と白い花を交配させると、その孫の花の色は『赤:白=3:1』となり、さらにその後代は…というやつです。
こんなのですね。「赤」が優先遺伝子、「白」が劣性遺伝子。


「通常の稲の育種(交雑育種法)には10年はかかる」というのは、多様にバラける子孫の性質が安定するのに約10代は必要という点が大きいのです。
雑種1代~4代は性質が安定せず、多種多様であり、この時点で優秀でも子孫の性質が劣っていく可能性もありますし、この時点で劣っているように見えても子孫が非常に優秀であることもあるのです。(『コシヒカリ』も後者に該当します。)

交雑育種法の選抜開始時期には大きく”系統育種法”と”集団育種法”の二つがあるのですが
雑種第2代という早期から選抜を始める”系統育種法”は「雑種後代初期に性質を見極めるのが難しい」ことからあまり行われなくなったと聞きます。
主流は雑種第5~7代まで選抜せずに育ててから選抜を開始する”集団育種法”です。


『ひとめぼれ』『つや姫』『ゆめぴりか』等、現代の米は10代以上の時間を経て、容姿の異なるもの、栽培特性の異なるものを除くことで、ようやく性質を同じくする集団”品種”として認められているのです。



〇雑種群『ふくおとこ』

だらだらと長くなりましたが
この点から『ふくおとこ』を見れば、おそらく後年の世代は多種多様な性質を示す雑多な品種の集まりとなっていくことは明白です。
原則として、品種『ひとめぼれ』の子は『ひとめぼれ』で、品種『つや姫』の子は『つや姫』ですが、この『ふくおとこ』の子は同じような性質を持った個体の集まり『ふくおとこ』ではないのです。

先ほどの図を使って見てみましょうか。
なんと言っても今回の『ふくおとこ』の交配目的(達成すべき目標)は、味に【雑味】を含ませること、とのことでした。
【雑味】が少ない母本の『新男米』に、【雑味】の豊富な父本の『チヨニシキ』を交配することで、【美味しい】+【雑味】の『ふくおとこ』が出来た、とのストーリーでした。
でわ
これもまたあまり正確な表現ではないのですが
『【赤】=【雑味がある米】』
『【白】=【雑味が無い米】』
と見てみてください。(ホモ・ヘテロとかどっちの遺伝子が優性だとか自家受粉原則だとかはまぁなんとなくで解釈してください)

雑種第1代(今回の番組で試食されていた『ふくおとこ』もここに該当します)は、なるほどすべて【赤】=【雑味がある】米ばかりですね。
雑種第2代は…おっと、【白】=【雑味のない】米が4分の1混ざるようになってしまいました。
これが雑種第3代になると…【白】=【雑味のない】米は全体の4割近くになってしまいました。
図はありませんが
雑種第4代では
(【赤】=【雑味のある】米)(【白】=【雑味のない】米)97
雑種第5代では
(【赤】=【雑味のある】米)(【白】=【雑味のない】米)1715
だんだんと比率が1:1に狭まっていきますね。
一番最初は【美味しい】+【雑味】の『ふくおとこ』が出来たように見えても、選抜・固定をしなければこのように当初の特性はどんどん薄れていってしまうのです。(通常の育種ではこの【白】=【雑味のない】株を見つけ、捨てることで【赤】=【雑味のある】株の純度を高めていきます。)

無論これは【雑味】というたった一つの特性で考えた場合です。
実際は【雑味】以外の様々な性質(遺伝子)が組み合わさり、またこのような単純な遺伝をするものばかりでもないので、さらに複雑・多岐に変化をしていきます。
つまり
味の良いもの・平凡なもの、病気に強いもの・弱いもの等々、”個”で見ればバラバラな性質を持った株の集団になっていくという事です(当初の優秀な性質を残した株も残っているはずですが)。
番組の最後で”品種改良は後年優秀な種子を選抜していくことで約10年で完成する”ようなことで〆られていましたが、今回のように”株”の状態で選抜もせず、刈り取って種子にしてしまっていては永遠に不可能です。
(今回はそもそも雑種1代なので分離すらしてなかったとは思いますが)混ぜこぜにしてしまった種もみの状態では、どの株が優秀で、どの株が劣っていたのか、もはや知る術がないからです。
播種する籾(種子)を選別する塩水選などはあくまで充実した籾を選択するためのもので、栽培特性や食味の優れた種子を選択する性質のものではないので、上の図での【白】=【雑味のない】種籾は逆立ちしても選抜(排除)できません=”後年優秀な種子を選抜していく”こと自体不可能です。
おそらく番組としてもそんなことは知っていて、そこまで厳密に選抜する気もないのでしょう。


ということで
表記するなら雑種群『ふくおとこ』の表記が正確でしょうか?


〇もしかしたら…

母本の『新男米』、さらにその親株『男米』もおそらく固定化・選抜はしていないでしょうから、これら二つも雑多な性質を持った個体の集まり、呼べて”雑種群”という程度のものであったと推測されます。(というかまともに10年掛けて固定・選抜してたら番組にならないですものね。)
※蛇足ですが、こういった固定されていない雑種世代を交配親株に用いることは優秀な品種を生み出すには有効な手段とされています。
話を戻して、しかしそう考えると
そもそもこの【『新男米』×『チヨニシキ』】の雑種1代35株ですら何一つ同じ株は無かったのかもしれません。

この点から見ると
番組の中では発芽した種子57株のうち、22株が”出穂期が母本の『新男米』と同じだから”という理由だけで”交配失敗”の烙印を押されて除外されていましたが(『新男米』と見てわかる形質の違いのある品種群を作る、という番組の趣旨的には正しいのかもしれませんが)、もしかしたらこの22株は単に出穂期が同じなだけで、中には雑種群『ふくおとこ』『新男米』を遥かに凌ぐものがあったかもしれません。
※通常の交配であればこの判断は至極真っ当、”交配失敗”と判断して差し支えないものです。これは親株の遺伝子が純正のホモ接合体ではないと仮定したら、という話です。

雑種第1代で出来た雑種第2代、1kgの種子の半分を食べてしまいましたが、この中に雑種群『ふくおとこ』『新男米』を遥かに凌いでいくものがあったかもしれません。

両者共に、より耐病性にも優れ、倒伏に強い優れた遺伝子を持った個体があったかもしれません。
ただ
無かったかもしれません。
農業試験場の職員の方々は選抜・育種の際には日々このような葛藤と闘われています。(雑種1代を選抜したり食べちゃったりなんて無法はしてませんよ?)


〇でも、”品種”ってなんだろう?

種苗法による品種の定義は以下の通り。
「この法律において『品種』とは、重要な形質に係る特性(以下単に『特性』という。)の全部又は一部によって他の植物体の集合と区別することができ、かつ、その特性の全部を保持しつつ繁殖させる事が出来る一の植物体の集合をいう。」(種苗法第二条第二項)
なんだか難しい言葉ですが
稲で言えば見た目で揃った稲の集団で、かつ孫子の代にも同じ性質を残せるもの…と言ったところでしょうか?
・『つや姫』を田植えしたら半分は背丈はバラバラになるし、倒れやすい株もあるし、施肥のタイミングが分からない…
・去年の『つや姫』は味が良くて暑さに強かったけど、今年の『つや姫』は味が悪い、その次の年は味は戻ったけど暑さに弱くなって…
なんてことでは困るよ~ということです。

そうすると、雑種第1代で選抜も(F1では出来ないんですが)せず、固定化もされていない『ふくおとこ』はとてもではありませんが”品種”としては認められないのがわかるかと思います。
『ふくおとこ』の後代は雑駁・雑多、多種多様な集団になっていくことは後述した通りですし、ある程度系統選抜をしないかぎり、この点は何年たっても解消され無いものと思われます。

ですが…

〇品種とはいったいどこまで厳密なモノでしょうか?



明治から大正にかけて日本を席巻した品種『神力』
財団法人広島県農林振興センター農業ジーンバンクに残されている品種『神力』を栽培・比較した成果表を見たことがありますが、出穂期は早生から極晩生まで、稈長は40cmから120cmまで、心白の発現性もバラバラ、紫稲まで存在します。
奨励品種になったものも『早生神力』、『中生神力』、『晩生神力』が存在します。



同じく明治に『亀の尾』『神力』と並んで稲の三大品種に数えられた『愛国』
『早生愛国』、『中生愛国』、『晩生愛国』と呼ばれる在来品種が存在し、じつに多様な性質を持った品種の集団であったことが推測されます。

このように大正~明治に見られる”品種”とは(同名異種の可能性もありますが)現代の基準では考えられないほど雑駁・雑多、多種多様な個体の集まりでした。
有名な『旭』も『朝日』との区別が判然としていません。


では、現代の”品種”はすべて統一された同一の”個体”なのか?と言えば
厳密には違います。
この点、特に『南魚沼産コシヒカリ』信奉者、『コシヒカリBL』批判者は大きく勘違いしていると思われるところです。
(あと良くも悪くも今回の番組でも勘違いする人がいるかな?)

前述したように品種とは”植物体の集合”です。
現代の品種は限りなく同一の性質を持つ集団になっていますが、DNAレベルで同一個体の集合でもなく、クローン体の集合でもありません。
ただ、その”違い”が目で見えないレベルまで統一された集団であることは間違いありません。
そしてそれを『品種』として認めているのです。

ですから、多少の”ブレ”はどうしても存在し、それは後代になるほど発現しやすいものです。
稲は自家受粉するので原則『つや姫』の子は『つや姫』ですが、(無意味・無用な事ではありますが)厳密に見れば他家受粉をする個体、突然変異を起こす個体が一定確率で発生する以上、栽培を続ければまったく同じ『つや姫』は存続しえません。
そしてそれは試験場で育種された品種のおおもとの”育種家種子”でも実は同じことが言えてしまうのです。
交雑育種法で生まれた品種は雑多な遺伝子の集合体で、世代を重ねるごとに性質は安定していきますが100%純系にはなりません。
品種のおおもと”育種家種子”ですら見た目の性質に現れない遺伝子の”ブレ”は存在するのです。

昭和50年頃、日本一の作付を誇った『日本晴』
各地の『日本晴』のDNAを調べてみると、いもち病抵抗性遺伝子を持つものと持たないものが存在するそうです。
育種段階で固定されていたように見えても、厳密にはわずかに違いがあった、ということの良い例でしょうか。(育種段階で少しドタバタもあったらしいですが)

佐藤洋一郎氏著「コシヒカリより美味い米」に『日本晴』について上記のような記載があるのですが、公式の報告書ではこの内容を確認できませんでした。
明確に残っているのは『日本晴』の子品種『黄金晴』が配布先の試験結果でいもち病抵抗性に差がありすぎ、真性抵抗性遺伝子が違う固体が混ざっているのでは?と記載されているものだけでした。
佐藤氏が勘違いしているのか、実際『日本晴』でも似たようなことがあったのか、これはわかりません。


しかししかししかし
これは原則問題にするようなことではありません。
そんなに極限まで同一のものを求めなくとも実用上問題はなく、仮に同一のものを求めるのならばその為にそそぐ労力と手間があまりにもそこから得られる成果に見合わず、非現実的です。

例えば市販されている雑巾。
1mm幅が違ったら何か問題がありますか?
「ちょっと!この2枚の雑巾、同じ製品なのに幅が1mm違うんだけど!?」
クレーマーの多い日本でもさすがにこんなことで訴える人はいないでしょうし、仮に1mm単位で雑巾の幅の製品管理などしても意味はないですよね?
布は伸び縮みがあるんですから多少の幅は容易に変わりえますし。
さすがに同一規格の雑巾の中で10cm、20cm単位で幅が違えば見た目にもわかりますとは思いますが、こういった製品に限らず、人間社会ではある程度の”ブレ”を許容しています。
乱暴な例えですが、こういうことだと私は理解しています。





言わずと知れた『コシヒカリ』
彼女ですら、奨励品種としての試験のために新潟県他各地に送られた時点で、いまだに性質にばらつきがあり、固定が完全でなかったとの記録があります。
ということは、より個体としての”ブレ”が発生する確率が高いという事です。
しかも彼女はすでに誕生から60年以上経過し、育種家種子もとうの昔に尽き(たと思います。)、世代交代を繰り返す中で、それこそ育種当時の『コシヒカリ』とは”個体”としては違ったものになっている可能性が高いのです。(無論”品種”としての『コシヒカリ』は健在です。)

根拠となる論文を見ていないので確証はないですが
日本各地の『コシヒカリ』をDNA鑑定するとやはり各地の『コシヒカリ』は、地域によって遺伝子座で微妙な違いがあるそうです。

偽コシヒカリ問題でDNA鑑定が用いられることも多々ありましたが、そこで顕在化したのがこの『本物のオリジナル・コシヒカリ』とは何ぞや?です。
前述したように”品種”『コシヒカリ』は各地で微妙に遺伝子座が異なっていることがあり、それによって本当の品種『コシヒカリ』を栽培していたにもかかわらず、『偽コシヒカリ』の烙印を押されてしまった農家の方もいます。
では
どの『コシヒカリ』の遺伝子座がオリジナルで本物なのか。
どの”個体”『コシヒカリ』を基準にすれば”品種”『コシヒカリ』の真贋を見極められるのか。
私個人の意見ですが、もはやこれは実体のない”個体『コシヒカリ』”を求めているのですから”答えのない問い”としか言いようがありません。


繰り返しになるかもしれませんが”品種”は全く遺伝子的にも同一の個体の集合…などではないのです。
という認識を持っていると、彼女
『コシヒカリBL』があそこまで批判された理由がまったくわからないですよね。
彼女は遺伝子的には99%近くが『コシヒカリ』と同一とされています。(いもち病抵抗性が明らかに『コシヒカリ』と違うので別品種ではあります。)
そんな彼女が食味試験を行い、国の審査も受け、『新潟県産コシヒカリ』として売られることを許可されて何がおかしいのでしょうか?
さて
『コシヒカリ』がいいからと”育種家種子”を使わず、自家採取を繰り返せば、自然交配や突然変異で”品種”の同一性は失われていきます。
では他県の『コシヒカリ』を使えば?
でもそれはもしかしたら新潟県が育ててきた『コシヒカリ』とは遺伝子上99%近く一緒でも1%違う”個体”かも知れません。
どうも”コシヒカリ信奉者”の皆様はBLは気になるけどこちらは気にならないようです。
どうにも傍から見ていると不思議です。
今までの『新潟県コシヒカリ』とは少しでも違えば嫌だ!と言っている農家の皆さんが、なんと、平気でその少し違う(かもしれない)『他県コシヒカリ』を使うんですから。

”個体”『コシヒカリ』は世間一般で表現されているほど絶対的で普遍的なものではないのです。
この点、多くの農家と消費者が誤解しているところであり、その理解不足の一端が『コシヒカリBL』批判とも言えると思います。(評論家(笑)の方々の売名行為も大きいとは思いますが)


こう書いていくとまるで”品種”はてきとーに簡便な範囲で許容されてるのかぁ…などという誤解のないよう言っておきたいですが
”品種”を守る努力と苦労は日本各地、各品種で行われています。
遺伝子単位での同一性の保持などという非現実的なことはしていませんが、品種としての栽培特性・性質が失われないよう、日々関係者の努力によって守られ続けているのです。


〇まとめ

TOKIOの『ふくおとこ』からなんだか脱線しましたが
こういった”品種”定義の変遷やある程度の寛容性を考えると、『ふくおとこ』もある時代では十分”品種”と呼べるのかもしれませんね。

あと、肝心なのが『男米』『新男米』『ふくおとこ』全てにおいて言えるのですが、本当に狙い通りの個体になっているのか、大いに疑問です。


いもち病に弱いけど美味しい品種】×【いもち病に強いけど美味しくない品種】

の組み合わせで【いもち病に強くて美味しい品種】が出来るというのは理想で、その通りになるものではありません。
いもち病に弱くて美味しくない個体】【いもち病にそこそこ強くてまぁ美味しいと言えなくもない個体】等中途半端な性質の個体が交配した後代のほとんどを占めるというのが実情です。(固定化されていない、遺伝子上の関連性質等、様々な要因がありますが)
最終的に人間の思い描くいいとこどりの性質を備えた後代は集団の中ではほんのわずかなのです。
『新男米』に食味で雑味を持つ『チヨニシキ』を交配したからって単純に足し算のように雑味が加えられるとは限らないのです。
海洋調査などでまさに奇跡的な発見が続いているTOKIOならば…もしかしたら一発で狙い通りの性質を…



ただなんにせよこれでは”品種改良”とは呼べません。
今回のこれはただの”人工交配作業”をして雑多な集団を手に入れただけです。
例えるならダイヤの鉱脈から一抱えの大きな岩を掘り出したにすぎません。
大きなダイヤの原石が埋まっているかもしれませんが、それを岩の中から見つけ出して、さらにその原石を磨き上げてこその”品種改良”。
交配の後の選抜が胆です。




な~んて小難しいような、重箱の隅をつつくような理屈を並べて見るような番組じゃないですよね、鉄腕ダッシュは

という話でした。



蛇足

2018年初頭はいろいろありましたが…
無事!18度目の米作りが始まりました!


TOKIOオリジナル品種『ふくおとこ』の更なる発展をお祈りします。





〇続報・系統選別開始(令和元年~)

選抜しなきゃ意味ないだろう、という体でずっと書いてきましたが、令和元年度から『ふくおとこ』は系統育種を開始するようです!
セオリー通り、F2世代を播種した昨年は様々な形質を持った雑種群として分化していたようです。

選抜系統は以下の三つ

◯『福の旅人』…稈長が長い系統(『いのちの壱』のような優秀な品種?)※1
◯『福のやまびこ』…出穂が早い系統(過酷な環境に強い?)※2
◯『No1太一』…見た目の粒が大きい系統

※1『いのちの壱』発見のエピソードから、「稈長が長い品種=美味しい品種」のように紹介されていましたが、稲の背の高さと美味しさに絶対的な相関関係があるわけではありません。(ある程度の傾向があることは否定できませんが)
※2「過酷な猛暑となった平成30年度でもいち早く出穂した!=過酷な環境に強い」のように紹介されていましたが、これは単に出穂期が早いだけ。耐暑性があるかどうかとはまた別の話です。(無論暑さに強い系統である可能性はあります)


水稲の育種についてはコチラ→『稲の品種が生まれる確率って?』←でも紹介していますが、いまだ雑種第二世代の『ふくおとこ』は遺伝子固定がガバガバのはずです。
昔はこのように初期から”優秀そうな個体”を選ぶ系統育種法が一般的でしたが、何度も言うように遺伝子の固定が完全ではないので、この時期に性質の優劣をつけても後代までそれが維持されることが実質少ないため、ほとんど行われなくなった方法です。

つまり【系統育種法】で
早い段階で選抜して、「美味しい、病気に強い品種」だと思っても
何年か育成していくうちに「美味しくもない、病気に弱い品種」になってしまった…ということが起こりやすいのです。


あくまでも可能性の問題なので、選抜されたこの3つの系統がどのような成長をしていくか楽しみですね!







2017年3月12日日曜日

新潟県産コシヒカリ 堅実に特A重ねる 


平成28年度 日本穀物検定協会 食味ランキング

「あら?コシヒカリ、どうしましたの?」
「コシヒカリBL~今年度の食味ランキングの結果が出たわよ~」

「コシヒカリ(コシヒカリBL)は14産地品種が特Aよ~。新潟県産も特A堅持ね~」
「…」じーっ…

「…何言ってますのよ!新潟県岩船産がA評価に落ちてるじゃありませんの…私の力不足ですわ…」
「何言ってるの~そんなこと言ったら私だって昨年度の特A産地で5産地がA評価になってるわよ~」

「そもそも岩船産が特A評価を受け始めたのはコシヒカリBLに代わってからよ~えらいえらい。」
「…う…いつまでも子ども扱いしないでほしいですわ…」

平成28年度コシヒカリは合計14産地品種が特A評価を受けました。
平成27年度の食味ランキング特A表19産地品種から比べるとその数を減らしてはいますが、品種として特A獲得数はいまだダントツ。
○特A評価から後退【6産地品種】
『新潟県岩船産』『富山県産』『石川県産』『長野県南信産』『三重県伊賀産』『佐賀県』
○新規特A獲得【1産地品種】
『福島県浜通産』
○産地変更【1産地品種】
『兵庫県産』→『兵庫県県北産』

新潟県魚沼産コシヒカリはその特A連続記録を堅持。
平成28年度産は特A評価を堅持していた産地品種(宮城県産ひとめぼれ、山形県産はえぬき等)がA評価、代わって多くの特A産地品種が出るなど乱戦気味ですが、そこはさすが『米どころ日本一』を自負する新潟県魚沼です。
………
サンプル取り違え…←しつこい
食味ランキングに特Aが制定されて以来唯一の28年連続特A評価です。
山形県産はえぬきの特A連続記録が止まったことで、連続獲得記録で彼女を上回る品種が出るのは、あっても当分先になりそうです。
デビュー当時は無責任な『評論家』とやらがコシヒカリBL叩きを散々行っていましたが彼女は法的に国からコシヒカリの後継者として認められており、そして今もその役目を立派に果たしています。(その『評論家(笑)』は今やまったく別の他の話題に夢中ですが…笑えませんね)

…とは言え何度でも言わせてもらおう。

私だって負けないよー!





蛇足


そういえば
近年の新品種の台頭から絶対的ともいわれてきた『新潟県産コシヒカリ』のブランド力が落ちてきているそうです。
新しいものが大好きな人間です。
北海道ゆめぴりか、青森県青天の霹靂、山形県つや姫等々…高級路線の品種が増えれば相対的に価値が下がるのは致し方ないこと…でしょうか。
しかしこの期に及んでも
『新潟県はコシヒカリBLを作っておりコシヒカリではない』→『コシヒカリBLは味が悪い(断言)』みたいなことを言ってる輩が度々います。
コシヒカリBL批判家のほとんどは『①私が食べてみると不味かった!』『②友人にも味が落ちたと言われた!』『③科学的にも種苗法的にも違う品種!』『④遺伝子組み換え!危険!』
①お前の舌は超技術かよ(未だ画一的な味覚判断装置はないというのに、そんな超技術の舌をお持ちのようです。)
お前の友人は二千人超いるのかよ(『意味のある』統計取るにはこのぐらい必要なはずですが…?)
③そんなこと当の新潟県自身も公表してるし国も認めてるわ(その上で『コシヒカリ』として売ることを法的に認めています。)
④笑うしかない(流石にこれはほんの少数…と思いたい)
と、その様な記事・ブログを書いている人にそこまでの悪意はないのかもしれませんが、問題はこれを見た考え無しの人間が悪意だけを残して拡散することです。
「コシヒカリBLは不味い、悪い」はなんら根拠のない妄言です。
勿論、食品の味と言うものは相当に個人の主観が入るものですので、私自身も「コシヒカリBLはコシヒカリと全く同じ味だ!違うはずがない!」などと妄言を振りまくつもりもありません。
自身が感じた味をどう表現しようがどう発信しようが個人の自由です。
ただし
客観的情報から判断する限り、『コシヒカリ』と『コシヒカリ新潟BL』を同等とすることには何ら問題はありません。




平成28年度 日本穀物検定協会 食味ランキング



2016年8月10日水曜日

イラスト 『スウィーツタイム!』

題材
 『スイーツ』

登場品種
 山形35号  『どまんなか』
 山形45号  『はえぬき』  
 山形97号  『つや姫』
 品種群    『コシヒカリBL』
 南海102号  『ヒノヒカリ』
 北陸122号  『キヌヒカリ』
 西海232号  『きぬむすめ』
 熊本2号   『森のくまさん』
 栃木7号   『なすひかり』
 上育453号  『ゆめぴりか』

H28.8作画


つや姫     「すご~い!」
どまんなか   「あー!つまみ食いしてる!」
コシヒカリBL  「な…なんのことかしら」
はえぬき    「・・・・・・・・」
森のくまさん  「………!」
キヌヒカリ    「よくもまぁ揃えたこと…」
きぬむすめ   「わぁ~」
ヒノヒカリ    「ほれほれゆめぴりか、あたいも運ぶよ~」
なすひかり   「…ジロリ」
ゆめぴりか   「ダメです!ヒノヒカリに任せたケーキはことごとく消えてしまうんですもの!」


米っ娘達にとっての甘いものとは何だろうか?と考えると…チッソになるのだろうか?
摂り過ぎれば徒長(デブ?)して倒伏しやすくもなるし、病気にも弱くなる。
とは言いつつもあらゆる栄養素は適量摂取が基本。
何事もバランスという事でしょう。

ちなみに有機農法は土壌を乾燥させるとこの窒素が大量発生して悪いことすることもあります。

たくさんの米っ娘を描くのは楽しい。
わちゃわちゃしてるのは楽しい。
下絵は楽しい。
…着色で根が尽きる…
ううう…

2016年4月25日月曜日

イラスト『米っ娘 母の日』

題材
 『母の日』

登場品種
越南17号  『コシヒカリ』
品種群    『コシヒカリBL』
秋田31号  『あきたこまち』
南海102号 『ヒノヒカリ』
東北143号 『ひとめぼれ』


現代米の偉大なる母、コシヒカリに感謝と敬意を…

H28.5月作品

母の日ということで
お母さん役は始祖米の太夫元六米達でもいいかな~とも思ったのですが…
六人も画面内にいるともはや何が何やら…

作付面積、検査数量の多くを占めるコシヒカリ及びコシヒカリ御三家(あきたこまち・ヒノヒカリ・ひとめぼれ)を…ということでこちらのメンツとなりました。
現代日本米の母『コシヒカリ』とその子品種たちの若かりし(?)頃です。

※正確にはヒノヒカリに関しては母本は黄金晴になるんですが…細かいことは気にしないことにしましょう…
※正確にはコシヒカリBLってコシヒカリの子品種って訳ではないかもしれないんですが…細かいことは…


…背景ですね、背景描かないとととととt…
背景ピンクが多すぎると思う今日この頃…

2015年12月30日水曜日

今年も早、明日限り(ミズホチカラ登場)


2015年・平成27年も、もう明日が最後だね!
今年の水稲は夏の日照不足がちょっと影響したけど、大きな影響がなくて本当に良かった!
さあ!年が明けるよ!


う…うん…
でもTPP協議終了しちゃいました…




そうですね。
まだまだ発効するかどうか不透明ですが、稲作に限らず、日本の農家その他経済活動にどんな影響を与えることになるのか…



今だけは暗い話題忘れちゃダメかな…?




がんばるんば




いったいなんなんですのこのバカ(管理人)は…





あ!
コシヒカリBLとコシヒカリ!




あなた達~
せめて今くらいは暗い話忘れましょ?
明日は一年に一度の大晦日よ~?



そう!
今こそまさに私達糯米がもっとも活躍する時期!
『も~うい~くつ寝ると♪お正月~ お正月には餅食べて~♪』



いや…ヒヨクモチ…
その替え歌の歌詞って…大抵その後がロクでもないですわよ…?
(管理人の地元では『餅食べて~腹を壊して寝ていましょう。』でした。



そんな固いこと言いなさんな!
放置された鏡餅みたいになっちゃうよ?




あれ?
ヒヨクモチが居るなんてなんだか珍しいね。




つや姫、私もいますよ。
なんだか久しぶりね。




あ!山田錦まで?
糯組、酒組の”芍薬太夫”クラスが集まってなにかするの?




やっほー♪つや姫。
ワタシもいるヨ~
各米の芍薬太夫役でちょっと打ち合わせするのサ♪



………………………
誰?




…え、えっとネ…
ワタシも一応粳米に分類さているんだケド…
確かにつや姫より後輩だけどサ…




だれだっけ?




あらぁ~
ごめんなさいねぇ~
まだつや姫には紹介していなかったかもしれないわ~



彼女は『ミズホチカラ』
超多収米で、飼料用・加工品用とオールマイティな期待のホープよ~
牛さん、豚さんの餌用にもなるし、米粉での加工や焼酎の原料になったり出来るそうなの~
暫定で、飼料組の芍薬太夫役お願いしてるのよ~

へぇ~
それでなんでわざわざこの年末ぎりぎりのタイミングで登場したの?




それこそ管理人に聞いてくだサイ…





ところで打ち合わせの内容って?





上の人だけが考えてればいい暗くて難し~い、問題よ~
なぁに?
つや姫も一緒に聞きたいの?



…遠慮するよぅ…
(意味深なことをサラッというんだもん…なんだか怖い…)




え…?
そんな重い話だなんて聞いてないケド…




私は聞いてたよ?





私も、聞いていましたよ?
まぁ、上に立つ者の務めですから…




…ハイ。
がんばりマス。















越南17号『コシヒカリ』

粳米生産量第1位(H25)
西海糯118号『ヒヨクモチ』

糯米生産量第1位(H25)


『山田錦』

酒造好適米生産量第1位(H25)

西海203号『ミズホチカラ』

飼料用他、超多収品種
飼料用米の作付面積、収量が不明瞭の為、暫定”芍薬太夫役”に就任中。
別にヒヨクモチのコネがあった訳ではない。
管理人『墨猫大和』

毎年この時期になると『来年こそは』と思うだけ思っている。



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