2020年4月19日日曜日

山形の主力品種【四コマ漫画】


山形の主力品種と言えば?

ということで





今や(令和2年)山形県の三大品種と言えば

『つや姫』 『雪若丸』 『はえぬき』

これで文句なく決まりです。

時代をさかのぼれば

昭和後期、自主流通米が出始めた頃には、山形県庄内地方では『ササニシキ』、山形県内陸部では『キヨニシキ』が主力となっていました。
特に庄内産『ササニシキ』は新潟、宮城と並んで自主流通米の三大産地(良食味)と数えられるほどでした。
しかし、ご存じのように『ササニシキ』は良食味ながら耐冷性が低いことから、内陸主力の『キヨニシキ』も食味があまり優れておらず、耐冷性も母親の『ササニシキ』譲りで低く、両者ともに時代のニーズに合わなくなりました。

特に平成元年を挟んで冷害が多発し、耐冷性の優れた品種を望む声が多かったようです。

そこで平成の時代になって山形が送り出した「YAMAGATA’S FINEST」ライス、『はえぬき』『どまんなか』の2品種がデビューします。
平野部を『はえぬき』が、中山間地を『どまんなか』が担うはずでした、結局は耐冷性と耐病性により優れた『はえぬき』1品種が山形県内全域を席巻。
隙間を埋める形でこれも耐冷性に優れている『コシヒカリ』および『ひとめぼれ』が一定の作付面積を記録しています。

日本穀物検定協会の食味ランキングで22年連続で特Aを獲得するほどの実力を見せつけ、山形の基幹品種となった『はえぬき』ですが、売値の面では安値の業務用米がほとんど…
「米どころ山形」として栽培特性に優れ、食味も優秀な品種が手に入っても、全国的に有名になることは出来ず…

そんな山形米の転機となったのが平成20年に生まれた『つや姫』でした。

その食味の優秀性はさることながら、なにより全国に先駆けて「ブランド米」を推し進めた山形県の取り組みは実を結び、魚沼産コシヒカリに次ぐ地位にまで上り詰めました。
順調に作付を増やす『つや姫』と相対して、全体的な作付面積の減少も相まってか山形県内『コシヒカリ』の作付はかなり減っていきます。
作付面積としては1位『はえぬき』、2位『つや姫』、3位『ひとめぼれ』となりました。

こういうのが出るくらいですからね。
左から『ひとめぼれ』『つや姫』『はえぬき』さん

『つや姫』で成功した山形県は、高価格帯と低価格帯の中間を担うべき新品種『雪若丸』を平成30年にデビューさせ、山形県の稲作を担う三本柱がここに揃い踏みしました。
『はえぬき』の代替品種が出るような話はありますが、耐冷性に優れ、多肥栽培にも耐えうるこの品種にわざわざ変える必要性も薄いような気もします。



本来であれば山形県には二枚看板の『はえぬき』と『どまんなか』があるはずでした…が…
まぁ察してください

言うほど『はえぬき』だって有名って訳じゃないですからね。




5 件のコメント:

  1. 山形の米!!!と言えばの結果はやはり「つや姫」、「はえぬき」、「雪若丸」でしたか!
     そして...「どまんなか」は...はい。言われた通り察します。

    こうなってくると「どまんなか」もそろそろ安心してはいられなくなってきましたね。
     僕は「牛肉どまんなか弁当」が大好きだったのですが、ぶっちゃけ前まではそのお弁当を知るどころか「どまんなか」という品種すら知りませんでしたし...(単に勉強不足なだけ)
     寒さや病気にも強い「はえぬき」や美味しさ抜群な「つや姫」のほうが好きでしたし...
        「どまんなか」が消えないことを願うしかありませんね。 こんな僕がいえたことじゃないですが、これからも「どまんなか」そしてほかの大勢の米っ娘達に...
        幸多からんことを...

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    1. ところが意外と『どまんなか』は10年以上2,000t程度の検査量で非常に安定しているという…
      大規模な作付面積はありませんが、確固たる需要は抑えている感じはあります

      流行る品種、廃れる品種はどうしてもあるものですが、自分のお気に入りの品種達にはできるだけ長くいてほしい気持ちはありますね
      うーんでも新品種ってのもいいもので…

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    2. そうだったんですか! まあ確かに1990年代からいる「どまんなか」にとって新品種である「雪若丸」は想定外だったでしょうね。影が薄くなりつつありますが、それでも頑張ってもらいたいですね。(もちろん「はえぬき」や「つや姫」にも)

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  2. 本日から国内唯一お米の先物市場を運営する大阪堂島商品取引所で取引が始まるみたいです。
     取引されるのはなんと宮城県産「ひとめぼれ」だそうです! そしてなんと東北地方産のお米が上場したのは平成30年10月の秋田県産「あきたこまち」以来2銘柄目になるそうです。
    収穫前から価格変動の可能性を減らすことができる良点があるため、大規模生産者さん達の注目をあびている一方で...
     
     新型コロナウイルス感染の拡大の恐れがあるという不安要素が浮上していました。
    クロネコさんもお気を付けください...。

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  3. 業務用や家庭用として大口の先物取引は消費者・生産者共に利点がありそうですよね
    ただ逆に言えば『あきたこまち』や『ひとめぼれ』もブランド米のような地位からは下がり気味なんですかね…

    秋田128号やだて正夢たちの時代の訪れのように感じます

    新型コロナは、三密避けて、頻繁な手洗い、よく食べよく寝て備えるしかありませんね
    お互いに気を付けて生活しましょう

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