『酒造好適米~青森県~』
登場品種
青系酒97号 『華吹雪』
青系酒140号 『華想い』
青系酒184号 『華さやか』
青系酒195号 『吟烏帽子』
青森県の代表酒造好適米 華吹雪・華想い・華さやか・吟烏帽子 |
最近ようやく酒造好適米の擬人化デザインがひと段落つきました。
いままでは生産量上位10品種+アルファ(主に山形県の品種だけ)程度でしたが、酒米ハンドブックやその他日本酒関連記事を読み漁ってそこそこ網羅出来たんじゃないかな?といったところまでは増えました。
で
で
で
青森県の華三姉妹に近々デビュー予定の吟烏帽子(これを勝手に管理人が「青森酒米四姉妹」としていますが)を描きました。
…まぁ実際はお局(?)的存在の『古城錦』姉さんと『豊盃』姉さんがいるんですが、そこはまぁ…【華】繋がりでこの三人が一番わかりやすいってことで…
◆【長女】青系酒97号『華吹雪』
姉妹の中で唯一(2018年)県外での作付ありの現役継続最古参酒造好適米であり、妹たちにとっては姉さん以上に大先輩。
長女らしく(?)、姉妹の中でも米粒はひときわ大きく、心白発現率も高いのですが、大きな眼状心白となるため、高精白が困難とされています。
ただ、醸造特性には優れ、大吟醸酒は前述した精白の問題から不向きとされるも、純米酒に向いていると言われています。
長女だけど一番小さい(稈長)。
でもおかげで倒れにくさは姉妹随一(でも妹たちを見上げる(物理)たびに心は折れそうになる…かも)。
◯蛇足
長女だけど一番小さい(稈長)から、妹たちは気を使ってひざを曲げたり座ったりしている…とかいないとか…
◆【次女】青系酒140号『華想い』
酒米の全国的エース『山田錦』と青森県の酒米のエース『華吹雪』の交配種で、『山田錦』の倒伏性改良が目標。
低タンパク、発現率は低度ながら点・線状心白発現と大吟醸酒に適した特性を持つものの、『山田錦』譲りの栽培上の弱さから、青森県内でも好条件の栽培適地に限られているとか。
と、長女『華吹雪』よりやや倒れやすく病弱と少しひ弱な印象ですが、時と場合によってはそう大差ないこともしばしば。
青森県酒米の”面”をカバーする長女『華吹雪』に対して、次女『華想い』は細やかな”点”をカバーして支えています。
◆【三女】青系酒184号『華さやか』
耐冷性、耐倒伏性、耐病性と栽培特性に優れていますが、心白は小さく、発現率も低いです。
が
プログルテリンという酵母に分解されにくいタンパク質組成をもつことから、高精白しなくてもアミノ酸度が低いすっきりした酒質にできることから、純米酒に向いているとされ、酒造以外の用途も考えられているとか。
三女だけど一番大きい(稈長)。
病気知らずの元気活発さで、姉二人とはまた違ったフィールドでの今後の活躍が期待されます。
◯蛇足
ちなみに、後述する四女『吟烏帽子』は山形県の酒造好適米『出羽の里』の子品種ですが、この『華さやか』の親『吟ぎんが』はこれまた山形県の酒造好適米『出羽燦々』の子品種。
酒造好適米はストレートに見える他県品種とのつながりが多い気がします。
◆【四女】青系酒195号『吟烏帽子』
いままでもさらっと紹介してきましたが、本格デビュー間近の青森県県南地方期待の新星がこの『吟烏帽子』です。
『華』『華』『華』ときて唐突な『吟』ですが、『華』シリーズは丁度三姉妹で区切りがいいという事から、華にはあやからない命名となったそうです。(別にいじめられているわけではない)
四姉妹のなかでも最強の耐冷性を武器に、厳しい栽培環境の青森県県南地方で地元オリジナルの大吟醸酒用向け酒米として、その責務は重大(?)です。
四姉妹の中で二番目に大きい(稈長)…はずでしたが、デザインのせいでどうしても一番大きくなる気がしたりしなかったり。
分類的には「やや短」で同類なんでそんなに気にしないようにしよう…
青森県の大吟醸酒を担いながらも、病弱な次女『華想い』ではカバーしきれなかった県南でその大吟醸酒用の役目を果たさんとする『吟烏帽子』。
奇しくもこれもまた山形県の新(初)大吟醸用酒米『雪女神』とは、母本の『出羽の里』つながりで異父姉妹。
互いに切磋琢磨して(酒米だけに)寄り高みを目指してほしいデス(管理人の願望)。
青森県の『つがるロマン』『まっしぐら』『青天の霹靂』
山形県の『はえぬき』(意地でも入れるぞ『どまんなか』)『つや姫』『雪若丸』
新潟県の『コシヒカリBL』『新之助』『こしいぶき』(『葉月みのり』?)
熊本県の『森のくまさん』『くまさんの力』『くまさんの輝き』
等々…やはり各県オリジナル品種で打線が組めるところは楽しいですね(誰得)。
青森酒米四姉妹ありがとうございます!!
返信削除「華吹雪」を基準でみると、この四品種の関係は、本人、子供、ひ孫、ひ孫になるんですね……w
「古城錦」と「豊盃」は一部の酒蔵の専用品種のような扱いなので、「青森県の酒米」というと彼女たちのように思っています。
圃場での印象としては、とにかく「華さやか」は長くて色も薄めで葉っぱも幅広くて覚えたら忘れない草姿で、「華吹雪」と「華想い」は親子な分似てるのですがやはり「華吹雪」のほうが緑が濃くがっちりしています。「吟烏帽子」は一見粒が酒米にしては小さめなのであまり酒造好適品種らしくない草姿です。
出穂の時期や玄米の心白も加味すると、堅実だけど若干不器用な長女、真面目だけど無茶しがちな次女、おっとりでマイペースにわが道を行く三女、ポジティブだけど少しそそっかしい四女になるのか……?