日ごろからテレビはほとんど見ないんですが
たまたま開けたチャンネルで始まった”究極のお米を紹介”というフレーズ。
なにぃ!?
これは見ないわけにはいかない。
「林修のニッポンドリル」(フジテレビ系)という番組でした。
初っ端
「日本にはどれくらいの種類のお米があると思いますか?」
という定番の質問で始まりました。
それに対する答えは
「なんと795”銘柄”!!」
…ん?
そして映し出される「”品種名”一覧」
”銘柄”などどこにも書かれていない。
細かいようで申し訳ない。
これだから稲オタクは、とか言われそうな気もしないでもないのですが
それ”銘柄”じゃなくて”品種”だろ!?
と心の中で突っ込んだり。
これ書くのもう何度目だろう…
”品種”は『コシヒカリ』とか『つや姫』とか『ゆめぴりか』とか
”銘柄”は”産地品種銘柄”のことで『新潟県魚沼産コシヒカリ』とか”産地”+”品種”で表されるものです。。。
同じ品種『つや姫』でも『山形県産つや姫』と『宮城県産つや姫』は別の”銘柄”です。
※2018年度の産地品種銘柄は農林水産省発表で前年比42増の795銘柄(新規52銘柄、廃止10銘柄)。
銘柄数は合っていますので、”銘柄”と謳っておいて”品種”を表示していたことに「違うんじゃないの?」と管理人は言っている次第です。
最初から話が大幅にそれました。
今回紹介されるのは
「カレーに合う」
「チャーハンに合う(?)」
「TKGに合う」
3種類のお米とのこと。
すっとばして結果は
「カレーに合う米」=『雪若丸』(山形県)
「チャーハンに合う米」=『大地の星』(北海道)
「TKGに合う米」=『銀の朏(いのちの壱)』(岐阜県)
いえーい!『雪若丸』!
え?私…ですか? |
「今年デビュー予定というお米ながら、食味ランキングではなんと特Aを獲得している味はお墨付きのお米」的な感じで紹介されましたよヒャッハー!
『雪若丸』の特徴である”大粒”、そして”噛み応え”がカレーにも溶けずしっかりとした粒感を感じることが出来る!ということで選考されたようです。(『雪若丸』の弾力は『コシヒカリ』のおよそ2倍!)
最近登場している高級路線品種達の特徴として”(コシヒカリ並)低アミロース傾向”がありますが、ちょっと似たり寄ったりの感がないでもない。
そんな中やはり『雪若丸』の”大粒”、”食感”と一味違う特徴はこういうところで紹介してもらえる一助になっていると言えます(のかな)。
それと今回の選考には精米店経営のお米マイスターの方も関わっていたようですので、山形県の宣伝も十二分に行われていることが伺えます。
やるな山形県…!
さて弐番目。
「チャーハンに合うお米」として北海道の『大地の星』が選ばれていました。
北海道第三?の粳米品種『ほしのゆめ』の子品種です。
ふむ |
耐病・耐倒伏性のような栽培特性に優れ、きらら397より1割多収。
冷凍ピラフのような業務用米向けとして開発されました。
~説明~
「お米の粘り気を決めるアミロース含有率。高いほど粘り気がなくなり、ぱらっとする。普通のお米のアミロース含有率は15~17%ですが、なんとこの『大地の星』は20%もあるんです!」
…ん
すみません。『雪若丸』のアミロース含有率は21%です(だからなんだというのか)。
そして参番目。
林修先生がいつも食べているのはミルキークイーンだそうです。
ただ、最近は浮気気味だそうで、他のお米に夢中、みたいな下りでした。
この林先生が最近ご執心のお米とやらが本日の”究極のお米”のようです。
まぁ大体こういう究極のお米ってコシヒカリ突然変位系の『いのちの壱』とか『イセヒカリ』じゃないのかな、なんて見てたら案の定『銀の朏(いのちの壱)』。
品種名は『いのちの壱』。商標が『銀の朏』 |
第三回米のヒット甲子園、第四回米のヒット甲子園と常連になっていた品種『いのちの壱』の商品「銀の朏」がTKGに合うお米として紹介されていました。
『いのちの壱』と言えばもうひとつ、ブランド「龍の瞳」が有名?ですが、逆に品種『いのちの壱』は一般的に知られているのか…
「え?龍の瞳は好きだけど…いのちの壱って何?美味しいの?」とか言う人普通に居そう。
今日の番組中も品種名については全く触れられていませんでした。(袋にこっそり書いてありましたが…)
うんまぁいいんですよ。
なんたって『雪若丸』が出たことが一番ですよ!
山形県びいき上等ですよ!
”究極の米”とかいうフレーズで
あとは無洗米の技術の紹介とか、コンビニのおにぎりの紹介とかしてたんですが、
稲の品種は出てこなかったのでもういいです。
やっと『吟烏帽子』と青森華三姉妹のデザイン確定したので…
一枚絵描きたい…描きたい…
え~っと…
そのセリフ、何回も聞きましたよ?
あら?
でも妹たちを描いてもらえるなら嬉しいけど
まーた口先だけで終わりそうでいい予感がしないし…
とか言いつつも。
我が山形県の庄内地方三川町で80年以上前の品種『イ号(號)』の復興を目指して動き出しているそうでこりゃもう擬人化するしかないだろ!?とか変な方向に舵を切りつつあったり…
あれですよ
試験勉強しなきゃいけない時に部屋の掃除始めちゃうみたいなあれですよ…
→でもちゃんと描いたよ!
イラスト『青森県酒造好適米姉妹 華吹雪・華想い・華さやか・吟烏帽子』
一般には銘柄と品種名が混同されているとはいえ、あくまでも銘柄で通してほしいとこですねそれは。アミロース含有率20%は高いと言うより東北の米なら年次変動の範疇なんですけど、メディアでは説明されないのが気になります。
返信削除青森酒米達をひっそりと待ってます……!
「米の種類はいくつ?」という質問に対して銘柄数で答えること自体は、『新潟県産コシヒカリ』や『山形県産つや姫』のように各品種の中でも品質際立つ銘柄も多いですから間違いではないと思うのですが…
削除だったらちゃんと徹頭徹尾銘柄表記にしてくれよ、と。
何をもってその品種のアミロース含有率とするかについては、『まっしぐら』の時に勉強させてもらいましたが、同じ県内でも育種・試験時と実際の栽培地とでもまた違ったりと複雑ですが、「一般的な米のアミロース含有率が15~17%」ってこれは明らかに間違いですよね…
…待てよ
「一般的な米」=「コシヒカリ」?
青森酒米たちはまったりお待ちください(汗)
そんな番組が放送されていたんですね…!!自分もテレビをろくに見ていないので、友人から「米の話が出てた」と事後報告される事が多々あります(^_^;)
返信削除確かに新興ブランド米は低アミロースでもっちりやわらかめを売りにしているところが多い印象です。最早〇〇県の高級ブランド米はこれ、と言ったように、品種ではなく県を選択しているかのように感じる(開発者に非常に失礼ですが��)部分もあります。そういう意味でも別路線でブランド確立を目指す雪若丸に期待です。
テレビだと米関連情報を発信していても、今回のように「…ん?」と正直首をかしげる内容も多いのですが、それでもやはりそれ相当の人数の目に触れるテレビ番組で何が紹介されるのかは気になります(とはいえやはり常にはテレビを見ないのでほとんど見逃しているかも…)
削除新興ブランド米はやはり【育種県】=【生産地】という構造が強いように感じます。
”青”森県の『”青”天の霹靂』、”富”山県の『富富富』、伊達政宗おひざ元の宮城県で『だて正夢』とストレートにイメージしやすい品種名もつけられていますし
新興品種の中で食味ランキングで複数産地、となると『つや姫』『きぬむすめ』くらいのものでしょうか?(ってこの二人もだいぶ中堅の域に入ってきていますが…)
福井県の『いちほまれ』はブランド定着までは県外不出を公言していますが、『だて正夢』導入で『宮城県産つや姫』はどうなるのか、等々今後の動向が気になるところです。
…でも現状やはり、『鳥取県産富富富』とか『広島県産だて正夢』とかなったらやっぱり違う気がします(個人的に)