2017年2月26日日曜日

稲新品種台頭 名称公募得票数のマジック?

さて…首長会議
今日のお題は?
………名称公募…
近年、米の新品種の登場が多いのだけれども、その名称決定に当たって公募することが多いですね。
まぁその応募数がその品種への注目度の高さ、と報道されるのだけれども、本当にそうかしら?と言う事よ。
このブログでもとりあえずそうしているのだけれども【※参照】

応募数が多ければそれだけ注目している人が多いということで間違いないのではないですか?
うーん…だよね?
注目度が高いという点は特に誤りがあるように思えないけども?
ふふふ
では夢あおばに訊きましょうか。
貴女なら何に注目してほしいでしょうか?

(…ああ…なるほど)
何に…と言うと?
そうね…
ちなみに私は栽培特性はそんなに良くないから食味の良さで注目してもらえると嬉しいわ。
それなら私たち飼料用米は収量の多さで注目してもらえると嬉しいです。
糯米は収量よりは味の良さで注目してもらえると嬉しいね。
まぁ個々の品種で強みは違うから一概には言えないけどもね。
さて、事前準備は良いかな?
近年の名称公募の結果を応募数を基に下に示すよ。






①福井県『越南291号』(いちほまれ)10万7,652件
②山形県『山形97号』(つや姫)    3万4,206件
③山形県『山形112号』(雪若丸)    1万6,056件
④青森県『青系187号』(青天の霹靂)  1万1,049件
⑤石川県『石川65号』(ひゃくまん穀)    9,516件
⑥富山県『富山86号』(富富富)       9,411件
⑦岩手県『岩手107号』(銀河のしずく)    8,168件
⑧北海道『上育453号』(ゆめぴりか)   3,422件
⑨熊本県『熊本58号』(くまさんの輝き)   1,238件

あらぁ~
私の生まれた福井県『越南291号』の名称公募数がダントツね~
つや姫の応募総数のほぼ三倍だね。
流石は現女王の故郷福井県ってところかな?
…と、考えてしまうのが落・と・し・穴。
ヒヨクモチもまだまだ若いわ~
え?
意地悪ですわね、コシヒカリも…
そうですね。
これだけを並べられれば、福井県の品種は注目度が高く、熊本県の品種は注目度が低い…そうなりますね。
『注目度が高い』という事実は間違いないけれども…
さぁ、本質は、『真実』はどうなのかしら?


『真実』とまではいかないけども、ちょっと別の視点で見てみようか。
品種名は未記載、代わりに名称採用の際の副賞を載せたわ。
先ほどと対応する数字、並びはかわってないけども…受ける印象はどうかしら?






①賞金50万円             応募数 10万7,652件
②賞金30万円+米60kg          応募数   3万4,206件
③賞金11万2千円+米11.2kg      応募数   1万6,056件
④賞金20万円+ギフト券1万円+米10kg 応募数   1万1,049件
⑤商品券6万5千円+米5kg        応募数       9,516件
⑤賞金10万円+米10kg          応募数      9,411件
⑥賞金10万円+米60kg          応募数      8,168件
⑦米60kg               応募数    3,422件
⑧米60kg                 応募数        1,238件

あれれ…なんだか…
大体副賞の多さで並んでますね…
都道府県も品種も書かずに並べて見て考えれば、応募数で①(越南291号)がダントツ、時点が②(つや姫)なのは至極当然なことですよね?
山形県の品種だからと贔屓するわけではないですが、こうしてみると先ほどはあまり目立たなかった③(雪若丸)が、副賞内容が同じ⑤(富山86号)⑥(銀河のしずく)と比較して格段に応募数が多いですね。
副賞抜きで米に関心をもって応募している人が多い可能性が高い…
相対的にみればこの八つの中では③(雪若丸)への『米』としての関心が一番高い…『かもしれない』と言う話だな?
ええ勿論。
これとてあくまで一つの『見方』。
応募総数が多いのであればどんな形であれ多くの人に知ってもらえているという事ですから、単純に結論は出せません。
兎にも角にも、今回の話題の意味は分かったかしら?
表面的な事柄だけでなく、多面的に物事を見る必要があるということすね。
目先の情報だけを見るような盲信はダメです!
へぇ~
難しいもんだねぇ。
逆に頭のいい人間はこれを逆手にとってうまく群衆を誘導するんだけども…
まぁ私たち米っ娘には関係のない話かしらね。
うむ、関係ないとは言えないな。
そこを正すべきマスメディアが右に倣えでその誘導に乗っかるんだから質が悪いんだ。
『知る側』が情報を精査すればそのような誘導に乗らされることもないのだけれどさ…人間と言う生き物の現実はテレビやネットの画面、それが真実なのかもね。
因みに~
そういった情報を取捨選択する能力のことを『メディア・リテラシー』って言うのよ~
日本人は特にこのメディア・リテラシーが低いと言われますわね。
目前の情報を鵜呑みにし過ぎですわ。
ええと…
おっと…脱線したわね。
さぁ、会議は終わりにしましょう。
重ねて言いますが、今回副賞に視点を当てたこともあくまでも一例。
このような見方もありますよ?というだけです。
ただ応募総数だけでその品種への関心の高い低いを論ずるのは不適当ではないか?という問題提起ね。
越南291号とくまさんの輝きにはひょっとしたら関心度の差はないかも?と言う事よ。
結局成功の判断はデビュー後の売上次第。
兎に角今後も新品種達を注視していこう。








名称公募の応募総数は正直どうにも腑に落ちないところはありました。
『ゆめぴりか』は3千件で『青天の霹靂』は1万件…
米の品種への関心の高い低いだけでここまで大きな差が付くことがあるのだろうか…?
ということで調べてみるとどうも副賞が臭い…
あるどこぞのサイトでは「名前を応募するだけで50万円!」のようなものも…(品種の詳細すら載って無い状態で応募先のリンクのみでした)
そりゃ米60kgが副賞のものよりは現ナマ50万円が副賞の方が米に関心がない人でも相当数応募するよなぁ…という野暮な見方も出来るということに気づきました。
無論福井県は稲作の活発な県で、『コシヒカリ』の故郷ですが、ただ10万と言う応募数に惑わされて優秀な品種と言う思い込みは危険だな、と感じました。

こうなると山形県『どまんなか』『はえぬき』名称公募時の約11万件、北海道『きらら397』の2万件、同『ほしのゆめ』の4万件、同『ふっくりんこ』の4千件…このあたり応募総数の多かった過去の副賞も知りたいのですが…ネット検索では全く引っかかりません。
ネットが普及する前の公募だったのでしょうか…?
やらしい妄想をするならば『きらら397』や『ほしのゆめ』の副賞には間違いなく現ナマ20~30万円があったのでは…?


(『はえぬき』の公募数は見つけました⇒山形45号『はえぬき』育成経過等





0 件のコメント:

コメントを投稿

ブログ アーカイブ

最近人気?の投稿