2017年8月18日金曜日

関東168号~ミルキークイーン~ 【特徴・育成経過・系譜図・各種情報】

地方系統名
 『関東168号』
品種名
 『ミルキークイーン
育成年
 『平成7年(西暦1995年) 農林水産省 農業研究センター/作物開発部 稲育種研究室』
交配組合せ
 『コシヒカリ突然変異』(MNU受精卵処理)
主要生産地
 『ー』
分類
 『粳米』(低アミロース米)
ミルキークイーン!ですわ!
国直轄の、通称『スーパーライス計画』で生まれた低アミロース米の筆頭、『ミルキークイーン』の擬人化です。
アミロース含有率は9~12%と非常に低く、蛋白質含有率も7%前後と低いデス。炊飯米は『コシヒカリ』より光沢や粘りがあり、冷めても硬くなりにくいと言われています。

MNU(N-metyl-N-nitrosourea~メチルニトロソウレア~)受精卵処理という聞きなれない(ですよね?)化学処理により、コシヒカリから突然変異で誕生したミルキークイーン。
このような化学的突然変異原を利用した初の実用品種です。
その育成に関する研究は1981年開始の『超多収米の開発と栽培技術の確立』及び1989年開始の『需要拡大のための新形質水田作物の開発』、二つの研究プロジェクトに基づいています。

昭和60年(1985年)に埼玉県鴻巣市の農業研究センター稲育種法研究室(鴻巣試験地)で『コシヒカリ』5個体の穂にMNU処理が行われました。
その後5個体は温室で登熟が行われ、650粒の種子を得ました。(この年に鴻巣試験地廃止)
昭和61年(1986年)からは茨城県の農業研究センター谷和原水田圃場で育種選抜作業が継続されます。
昭和61年に播種されたM1世代からは、一株につき一穂が収穫され、さらに一穂につき各5粒がM2世代用の種子とされます。
続く昭和62年(1987年)はM2世代2,000個体が圃場で養成されました。稔ったM3世代は同年秋に玄米品質の調査が行われ、2個体に玄米の白濁が確認され、それぞれ『88M16』『88M18』の試験番号が付与されました。
昭和63年(1988年)~昭和64年・平成元年(1989年)にかけてM3、M4世代は圃場で養成され、「コシヒカリ」に形質が類似し、低アミロース性について固定した個体・系統が選抜され、平成2年(1990年)にはM5世代系統において稲育種法研究室による生産力検定試験が行われます。
平成3年(1991年)、M6世代系統において『88M16』が『鴻271』、『88M18』が『鴻272』の系統名を付され、生産力検定試験に加え、特性検定試験が行われ、平成4年(1992年)にM7世代『鴻271』が『関東168号』となります。
『関東168号』は平成4年(1992年)~平成6年(1994年)の3年間、45の府県で延べ67回の奨励品種決定試験で栽培されました。(M7~M9世代)
M10世代となる平成7年(1995年)当初、奨励品種として採用する府県はなかったものの
、『関東168号』の優れた米品質および加工適性が認められ、平成10年(1998年)9月6日付で『水稲農林332号』として登録され、『ミルキークイーン』と命名されました。

栽培特性は突然変異前である「コシヒカリ」と似通った部分が多く、耐冷性・穂発芽耐性に優れるものの、耐病性は非常に劣ります。
収量は「コシヒカリ」よりやや劣るとされ、玄米一粒重の減少が原因とされています。






関東168号『ミルキークイーン』系譜図





0 件のコメント:

コメントを投稿

最近?の投稿