2017年3月20日月曜日

青森県産『青天の霹靂』 順調に特A重ね


ちょっとだけ続きます


平成28年度 日本穀物検定協会 食味ランキング

平成28年、青森県の『青天の霹靂』は、平成27年の青森県中弘南・津軽・青森中央産から青森県津軽産へ一本化(?)。
堅実に特A評価を勝ち取りました。
正式に食味ランキングに参加してから2年連続の特A獲得(H26の参考品種時代から数えて3年連続)

本州北限に位置する青森県。
りんごを代表として農業の盛んな県ですが、稲に関してだけは本州に適合する品種も、北海道に適合する品種も適さないという絶妙な気候の土地柄。
同じく農業の盛んな東北各県は常時何かしらの品種で特A獲得、同じように冷涼な気候の北海道ですらななつぼし、おぼろづき、ゆめぴりかと特A獲得・良食味米の凱歌を上げる中、一人取り残される形となっていた青森県。
『青天の霹靂』の登場でようやく追いつき追い越せの状況となりました。

かつては北海道と同じように冷涼な気候から(失礼ながら)『不味い』『安い』『見た目の悪い』業務用として、市販されるコメの値段調整用・混ぜ込み用としての生産が主流であった青森県。
(ただし、そのような冷涼な青森県で育成された耐冷性の強い品種が他県で活躍したことは特筆しても良いのではないだろうか)
昭和60年代から平成初期にかけて『むつほまれ』や『つがるおとめ』などの県独自品種を打ち出すものの、食味・品質・収量の面で他県の主要品種と比べた場合、どうしても見劣りするというのが正直なところでした。
ただし着実に育種は進み、平成9年に奨励品種に採用された『つがるロマン』はついに単一品種として売り出せるほどの良食味・良品質を持つに至ります。(北海道でいうところの『きらら397』でしょうか)加えて平成17年には業務用米の品種として『まっしぐら』が登場。
ただ、良食味・良品質が認められた『つがるロマン』をもってしても『食味ランキング特A獲得』は成らず、平成も20年代に入ると北海道で『ななつぼし』『ゆめぴりか』が連続して特Aを獲得。
さらに他の都道府県でも独自品種が産声を上げ始めたのもこのころ。
『つがるロマン』の栽培方法を徹底して特A獲得を、との声もあったそうですが、青森県は当時有望な系統が育種中であったこともあって新品種に青森県の悲願をかけました。
それがいまの青系187号『青天の霹靂』。
青森三女の今後の躍進が楽しみですね。

そういえば低アミロース米の『あさゆき』も登場していましたね(擬人化の予定は…う~ん…)
青森県はまず、冷涼な気候から耐冷性・耐病性・耐倒伏性に優れていなければまず稲作ができないという厳しい環境です。
他県の奨励品種が青森県ではほぼ姿がないことからも、その環境の違いは分かるかと思います。
その様な厳しい環境下で『青天の霹靂』のような極良食味米が誕生したことは、ひとえに稲の育成・育種に携わってきた方々の連綿と続く努力のおかげに他ならないでしょう。

ただし!
しつこいと言われようが何度でも言わせていただこう
山形県も負けないよ!


平成28年度 日本穀物検定協会 食味ランキング







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